中国科学院の新疆天文台の責任者・王ナさんは、普通の人々に余り知られていないが、国際天文学界のパルス星研究分野でとても有名です。
新疆ウイグル自治区に聳える南山の標高およそ2000メートルの場所に、天文観測所が建てられています。1987年から、王ナさんはここでパルス星を観測してきました。パルス星は、世界的に有名な天文学者であるイギリスのベル教授が1967年に発見したものです。この星は周期を変化させることなくパルス信号を出していることから、パルス星と名づけられました。パルス星が高速で自転する過程で発生するフレア現象を読み取ることは、パルス星の特徴を現代の航空・航行誘導技術に応用する鍵になると、王さんは見ています。
パルス星について、王さんは、「この星は、宇宙の中で最も精確な時間を図る道具です。毎年の誤差は、10億分の一秒にもならないからです。このように精確な周波数は、実は私たちの日常生活と深く関わっています。主要な先進国は巨額の資金を投じて、その技術開発に力を入れ、パルス星の自転に内在する原理を読み取ろうとしています。これは、現代の航空・航行誘導技術の研究に非常に重要な役割を果たしています。その自転の謎が一日も早く解けるよう、願っています」と述べました。
この目標を実現するには、孤独と寂しさに耐えなければなりません。王さんはこのニ十年間、ニ三日置きに、車を運転して南山天文観測基地に入り、寝食を忘れて仕事をしてきました。ここには直径25メートルの電波望遠鏡があります。これで空を見上げ、ゆっくりと巨大な鏡のパネルを回転させて、パルスから放出されるマイクロ波を収集していました。観測所にあるコンピューターには、絶えず赤い色で示されたデータが表れ、研究者たちは、これらデータの変化を注意深く観察しています。これらのパルス星を観測するソフトは王ナさんが自ら開発したものです。また、このステーションの多くの研究者も、王さんが指導してきました。今、実習している劉志勇さんは、王さんについて、「大学で物理を専攻していますが、王先生の適切な指導の下で、パルス星の観測や研究が分かってきました。修士号を獲得してから、ここでパルス星を観測するほか、システムやソフトなどの保守を担当します。最初、王先生は、手とり足とりで教えてくださいました。王先生はいつも残業し、土日も働いています」と述べました。
長い期間研究を続けてきた王さんは、若いパルス星が周期的に発生させるフレア現象について、豊かな経験を積んできました。これはフレア研究に重要なデータを提供し、内外の研究者から高く評価されています。
毎日、大量の観測データに向かっている王さんは単調さを感じるどころか、科学研究の楽しさを満喫しています。というのも、王さんがパルス星に興味を持ったのは、この星が周期を変化させることなく自転する性質にあると話しています。もしそのフレア現象などが解読されたら、人工衛星が航空・航行誘導システムが果たす役割に取って代わることができます。そうすると、パルス星は航空・航行誘導システムの役割を果たす惑星になります。王さんは、パルス星のフレア現象の謎を解くことに、一生をかけて取り組むことにしたのです。これについて、王さんは、「パルス星のフレアを撹乱し変化させる要素を探ることは、科学者たちが解こうとしている難問です。私はこの目標のために一日十数時間も働いています。観測が進むたびに、特別な喜びを感じています。もしその謎が解けたら、パルス星の構造が分かります。この研究によって、科学研究の目標実現にヒントを提供することがあります」と述べました。
現在、王さんは、観測の面で新しい成果を収めています。毎年、国際的な知られる天文学術誌で論文を数編発表しています。その研究成果は国際パルス星研究の重要な参考基準にもなっています。南山観測所のチーフエンジニア アイリ・ユースーフさんは、王さんについて、「私は1986年から王さんと一緒に仕事してきました。すでに20年あまり経っています。一番印象的なのは、王さんは非常にまじめで、何でも諦めずに対応していることです。彼女は責任者なので、仕事で時間をかけてしまうのです。でも、いつも研究をやり遂げています。彼女はよく深夜まで仕事をしています」と話しています。
王ナさんとウルムチ南山天文観測所の研究者たちは、20年あまりの努力を経て、国際的にも一流のパルス星観測システムを構築しました。ここの観測システムは国際的にも先進レベルに達し、国際的なパルス観測基地に仲間入りにしています。
では、クイズです。
王ナさんは、どんな星の観測と研究に没頭していますか。
回答とお便りをお待ちしています。
郵便番号は、100040
北京放送・中国国際放送局日本語部「新疆シリーズ」係です。
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