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   2007-04-13 16:23:36    cri
 中国のことわざには、「病は口から」(病従口入)という言い方があります。ここ数年、鳥なら鳥インフルエンザ、牛ならBSE、豚や羊なら口蹄疫など、世界範囲で肉類の食品安全の問題がだんだん深刻になってきたことから、肉料理を敬遠する人たちが増えていると言います。肉類に限らず、野菜でも、残留農薬や遺伝子組み換え作物の問題などがあって、食べ物の安全性が心配されるようになりましたね。農薬や化学肥料をできるだけ使わない有機栽培の野菜が求められるようになっています。

 仏教の影響を受けて、中国では肉類を使わない精進料理に長い歴史があります。今週の番組で北京の精進料理のレストランを二軒ご紹介します。

 まず紹介する一軒目のレストランは北京の南側にある伝統的な精進料理の店です。このレストランは菩提縁とい う名前で、尼寺をベースにして改修したものです。レストランの建物は、表側、真ん中と裏側という三つの部分からなっています。レストランは表の部分だけで、茶室としても利用されています。真ん中は昔のままの仏堂で、裏側はお寺を訪れる僧侶、尼僧のための客室です。

 仏教徒でもあるレストランのオーナー張慶さんによれば、このお寺にはある伝説が残っているそうです。

 「明の時代のある皇帝に美しい妹がいました。この姫はよそから来た若者とめぐり合い、若者に一目ぼれしてしまいました。姫はこの若者と結婚したかったのですが、皇帝は妹にほかの人物に嫁ぐよう命じました。姫は仕方なく、若者と別れることにしました。若者は姫と別れる前に、『縁があれば、生まれ変わってもまたこの木の下であなたと再会しよう』という願いを込めて、エンジュの木を植えました。姫はこの木を見て悲しくてたまらず、出家することを決意しました。その後、皇帝は、姫のためにこの場所に尼寺を建てることを命じました」 

 この悲恋の物語に出てきたエンジュの木は今もあり、「因縁の木」と呼ばれています。レストランに来る多くのカップルは、400年もの歴史があるこの木の下でまずお祈りをしてから食事をするそうです。

 「お姫さまの福寿火鍋」はこの店の看板料理で、伝説のお姫様が大好きなものだったそうです。キノコ、棗、野菜などの具を入れるほか、トマトで煮込んだタレを使うことから、滋養と美容の効き目があるそうです。もう一品の看板料理は「糖酢魚」です。普通の糖酢魚は、油であげた淡水魚に、砂糖とお酢を煮詰めたソースをかけた肉料理で、甘味と酸味をミックスした味がするので、食欲増進に効き目があります。魚の代わりに冬瓜を使って調理した「糖酢魚」は、魚の形にした冬瓜に煮汁をつけて調理したものです。その味が本物の「糖酢魚」とそっくりだそうです。また、豆腐と湯葉などで作った「宮保鶏丁」(元は鶏肉と唐辛子の炒め物)もありますが、本物よりおいしいそうです。

 お客さんに人気のある料理と言えば、やはり「上上くじ」(めでたしめでたしのくじ)です。この料理は「お寺で御神籤(おみくじ)を引く」ことと関係があります。

 この料理はキノコと野菜を串にしたものですが、串には縁起のいい言葉が刻まれています。たとえば、商売繁盛に当たるめでたい言葉、財源広進と日進斗金、出世と関連のある『平歩青雲』などです。一番面白いのは、10何本の串の中に、「買単光栄」(おごることは光栄である)と書かれた串が一本あります。何人か一緒に食事をする場合、この串を食べたお客さんはほかの人におごることになります。

 ところで、菩提縁は伝統的な精進料理の店ですが、今度は、モダンな精進料理の店をご紹介しましょう。

 このレストランは北京の東の朝陽区にあります。名前は「荷塘月色」、(ロータス・イン・ムーンライト)、「蓮池の月光」という意味です。この店の名前は中国の有名な作家、朱自清の同名の散文から取ったものです。レストランは蓮池のそばではありませんが、エンジュの木の林に囲まれた静かな所にあります。ガラスのギャラリーがありまして、夏の夜に、このギャラリーから星空を仰ぎ望むことができるそうです。

 王中さんはこのレストランのコックさんですが、こちらの料理の特徴について次のように紹介してくれました。

 「こちらの精進料理は肉料理に学ぶことを一切やっていません。料理の名前でさえも、魚や肉の名前を使っていません。こちらの料理は、できるだけ果物や野菜の味を保って、肉料理のような味付けをしません。一番ピュアな味を求めています」

 ここのメニューには、ハンバーガ、ピザ、スパゲッティなどの洋食料理もありますが、肉類は一切使われていません。ここは野菜や果物にバターとチーズなどを加えて調理した料理もあります。たとえば、泥状につぶした蒸したかぼちゃ、バターとチーズをミックスした中身を湯葉で包み、油で揚げてソースをつけて食べる料理、その名前は「ピカソの日光」です。(書き手:姜平)

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