ハルピンは中国東北部の黒龍江省の省都で、一年のうち、平均気温が零度以下となる日はなんと5ヵ月もあります。冬の初めでも気温がマイナス20度以下になります。ハルピンでは、1985年から、毎年「氷雪祭り」が行われてきました。祭りは、1月5日から100日間に渡って行われています。
ハルピンの氷雪祭りで使われている氷は着色されたものです。彫刻を作る職人は食用の色素で氷に色を付けたり、できた彫刻の真ん中に穴を開けてカラーの明かりを飾ったりしていることから、夜になると、電気がついた氷の彫刻はすごくきれいに見えます。
ハルピンには、「氷と雪の大世界」という敷地面積40万平方メートルもの大規模なテーマパークがあります。このパークには氷で作られた、まるで実物のように見える建物がいっぱい展示されています。観光客は階段を登ったり、部屋の中に入ったりすることができます。
ところで、ハルピンの氷雪祭りで使われている氷はすべて黒竜江の支流の松花江から取ってきたものです。冬になってから、松花江の一番凍りついた所は氷が厚くて、車も走らせられます。氷の彫刻を作る職人は松花江から氷を切り出して、専用の切断機で色んな形に加工して、デザイナーに提供します。
ハルピンでは、氷の彫刻のほかに、雪の彫刻を楽しむこともできます。雪の彫刻のデザイナー・張宇さんの話によると、「氷の彫刻は透き通ったように見えるので、その良し悪しはカッティングの技術にかかっているが、雪の彫刻の場合は形が鍵になる。雪の彫刻には、普通人工雪を使う。まずダンボールの中に雪をいっぱい詰めて、しっかり固めてから、ダンボールをはずして、そのできた塊を刻んで彫刻を作る」ということです。
遊園地が好きな人は、ハルピンの兆麟公園を訪ねてください。ここには、長さ60メートルの氷の迷路のほか、長さ10数メートルの氷の滑り台など、さまざまな遊具があります。
ハルピンは、氷雪祭りのほか、「冬泳」と「スキー」の本場としてもよく知られています。
「冬泳」は凍りついた川や湖に穴を開けて、プールを作って水泳をすることですが、ハルピンの「冬泳」なら松花江の中を泳ぐことを指します。「冬泳」の愛好者には、20の若者もいるし、80歳以上の年配の人もいます。
ハルピンの亜布力スキー場は中国で最大規模を誇るスキー場です。毎年の11月中旬から翌年の3月下旬まで4ヶ月間ぐらいスキーを楽しめます。(文:姜平)
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