では、クイズです。

　馮向光さんは、何年に美容院を創業しましたか。

　自分の創業について、馮さんは、「毎日、朝8時から夜中の2時まで働きました。精一杯力を掛けました」と語りました。

　開業して2年目、ウルムチ市で、第1回「青春カップ」美容コンクールが行われ、馮さんは見事に優勝しました。この後、多くの人たちが馮さんの店を利用するようになりました。

　数年の努力のあと、経験とともに資金も蓄えた馮さんは、1990年代の初め、18万元、日本円にしておよそ270万円を投じて、店を拡大しました。でも、不幸なことに、オープンからわずか一週間後、店が火事になり跡形もなく焼けてしまいました。

　この過酷な経験について、馮さんは、「真新しい店が目の前で焼け落ちてしまいどん底の気分になりました。店を続ける勇気さえなくしました。でも、社員たちは一人も辞めずに、ずっと一緒にいてくれました」と振り返っています。

　まもなく馮さんは再び開業しました。美容師たちの優れた技術やサービス、それに、合理的な経営によって、多くのお客さんが訪れるようになりました。馮さんは、新たにチェーン店を開くことにし、4つの店がオープンしました。

　ところで、1990年代、新疆では、技術を手に持たない多くの人がリストラされていました。1996年、馮さんは専門技術を持つ人材を養成するため、銀兎美容専門学校を開きました。この学校は数年間で延べ6万人の美容師を育成し、その中から自分で企業を起こした人はおよそ百人に達しています。2002年、この学校は新疆でただ一つの「全国職業教育先進部門」に選ばれました。この学生の卒業生でもある朱殿春副校長は、ここ数年間の経験について、「1997年からこの学校で教えるようになりました。理論から実践まで、一歩一歩進めてきました。日々自信が増してきました。何も出来なかった教え子たちが、ここで勉強することによって、一つのヘアスタイルを完成できるようになります。美容師になって、好きな仕事に従事し、自分の店を開くまでできるようになっています。私たちは、教師としての達成感を感じています」と話しています。

　近年、馮さんのグループ企業は買収を重ね、規模がますます大きくなっています。ウルムチ市の繁華街で、馮さんは、700人あまりが学べる美容師の養成のためのビルを建て、ホテルも建てました。このほか、ドイツや韓国などの国々とも協力して、進んだ美容技術と機械を取り入れました。今、このグループは、美容師の職業訓練を兼ねたチェーン店を主体に、飲食業やレジャー産業、研究開発などを手がける総合的な企業に成長しています。

　美容師から身を立て、企業の最高経営者になった馮さんの経験は、大学生たちの関心を呼びました。地元の大学に招かれて講演する馮さんは、「まず自分が創業しようとする仕事を愛することです。この仕事が好きになると、力を惜しまずに努力することができます。私はずっとお客さんの立場に立って、お客さんを満足させることをモットーにしています。創業するためには、節約や勤勉の精神を保たなければなりません。企業は少しずつ積み上げるものです。また、絶えず新しいものを勉強し、伝統的なものと融合させるのです。その上で、個性のあるものを作りあげるのです」と語りました。

　ところで、数年来、馮さんと社員たちはチャリティー事業にも　熱心に取り組んでいます。災害の被災地、貧困地区、老人ホーム、孤児施設などに対して数万元に上る義捐金や物資を寄付しました。このほか、軍隊、学校、建築現場で、美容の技術を生かして無料で整髪も行っています。今後、社員と共に事業に励み、社会のためにより貢献したいと、馮さんは言っています。

　では、クイズを繰り返します。

　馮向光さんは、美容院を何年に創業しましたか。

　回答とお便りは、郵便番号100040

　中国国際放送局日本語部「新疆シリーズ」係までお寄せください。お便りをお待ちしています。（翻訳　朱丹陽）