河南省の登封市から西へ12キロ離れた所に、嵩山という山があります。嵩山の五乳峰の麓には、、少林寺があります。この少林寺は中国でも有名な仏教寺院で、中国の禅宗と少林寺拳法の発祥地でもあります。
少林寺は北魏太和19年(紀元495年)に、当時の孝文帝がインドから仏教の布教に来た高僧のために建てたものです。嵩山の少室山にあり、しかも茂った林に囲まれているため、少林寺という名前を得ました。北魏孝昌3年(紀元527年)、インドの達磨大師が少林寺を訪れ、少室山にある洞窟の中で壁に向かって9年間座禅を続けました。禅宗はその時から中国に伝わりました。
唐の時代、李世民(後に、唐の第2代皇帝となる)が王世充を討つために行った戦で少林寺の志堅、曇宗など13人の僧が、多くの戦功を立て、褒賞を受けました。少林寺もこれをきっかけに朝廷の庇護を受けて、参拝が盛んになり、「天下第一の名刹」と称えられるようになりました。少林寺は明の時代に全盛期を迎えますが、中華民国の時に、軍閥の石友三の軍によって放火されて大半が焼失し、千年の古刹は破壊されました。
1949年、中国共産党が政権を握ってから、少林寺は改修が行われ、参拝が再び盛んになりました。特に、1982年に上映された、ジェット・リー(李連傑)のデビュー作「少林寺」によって、少林寺と少林寺拳法は世界に知られるようになりました。現在、毎年少林寺には延べ150万人以上の観光客が訪れています。(翻訳:姜平)
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