「博古斎」は、北京南部の瑠璃廠大通りにあり、清の咸豊の時代に創立された書画用紙を販売する老舗です。北京の大興県出身の祝晋藩氏は「博古斎」の初代の主人で、書画を制作することが好きで中でも水墨画が得意でした。「博古斎」を創業した際、新しい書画と中古品の書画を販売すると同時に、古い書画をはがして新しく表装する仕事をしたり、骨董品とアクセサリーの販売もしていました。清の同治の時代になると、「博古斎」は河北省衡水出身の李鏡湖氏に譲渡され、光緒の時代になると、同じ衡水出身の孫述氏に引き継がれたことがあります。100年余りの歳月を経て、「博古斎」は一新され、今は書画用紙、特に宣紙を主に販売しています。
ところで、宣紙は青檀(セイタン)の樹皮と藁を主要な原料とし、すべての工程を終えて完成するまでに1年間もかかります。大きい工程は18ほど、細かい工程は100余りもあります。すべての工程は厳しい技術上の要求と基準を満たさなければなりません。そのうち、紙を掬う工程と紙を干す工程が一番大切で、経験豊かな職人しかできないものです。宣紙を作る職人には、作り方に拘りがあり、焦らずに工程を進め、無理やり加工をしないことから、宣紙を作り上げるまでには長い時間が必要です。ですから、宣紙には他の紙類には取って代わることのできない長所があります。
宣紙は、書画用紙のほか、重要な保存書類の用紙、外交文書の用紙、歴史材料を新しく表装したり複写したりするための用紙などに使われています。中国の古文書保存館、博物館や図書館などに所蔵されている、数百年から数千年もの歴史がある貴重な文献、史料をはじめ、書道家や画家の真筆は、いずれも宣紙に記録されています。(翻訳:姜平)
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