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国子監(首都図書館)
   2006-11-14 11:23:05    cri

     

 北京安定門東側に位置する国子監は元・明・清時代の最高学府で、1306年に孔廟と共に建築されたものです。現在は首都図書館として知られています。

 国子監は元の時代のフビライが「左廟右学」の伝統思想に基づいて、最高学府、太学として国子監を建てたのものです。当初はモンゴル族の学校でしたが、明・清時代には皇帝の下で政治を司る高級官僚を養成するための大学になりました。学生は全国各地の府、州、県の学校から送り込まれた優等生で、「監生」と呼ばれていました。最も優秀な「監生」は科挙に関係なく官僚として採用されますが、ほかの多くの監生は科挙の受験準備に明け暮れていました。ここでは多くの貴族の子弟を教育したばかりでなく、当時の高麗、ロシア、日本からの留学生も教育していました。

 清の時代には、皇帝はみな即位すると、ここで学問の講義を受けることになっていました。また、外国人留学生と会ったりするところでもあり、国内外の人材が集まるところでした。

 国子監の正門の両側には二つの亭子があり、亭子の北側には太学門があります。太学門の東側には190の石碑がありますが、そこに中国の13人の儒家の経典「十三経」の全文が刻まれています。これらの石碑は清の時代の書道家・蒋衡が12年をかけて、乾隆9年(1794年)に完成したもので、文字数は3万字という中国最長の「十三経」です。

    

 国子監の中にある辟雍殿は1784年(乾隆49年)に竣工したもので、皇帝が勉強した所として、清時代の歴代皇帝の即位も行われました。その奥にある古風な平屋は彝林堂で、明の時代に建てられ、清の時代に大学図書館として使われていました。西側の一番奥にある「乾隆石碑」には191本の石碑が収蔵しています。 

 国子監の敷地の庭にはコノテガシワが高く生い茂り、しっとりとした静かなたたずまいで、孔廟と隣り合ってることもあって、全体が落ち着いた雰囲気に包まれています。

<主な見どころ>

集賢門

 国子監の正面入り口です。監生(国子監の生徒)のたちはここから中に入るのです。朱塗りが何度も塗り替えられているのでつやつやと鮮やかです。

辟雍

 国子監の中心となる建物です。非常に大きな建物で、周りを距圜池という堀で囲まれています。今は皇帝が勉強することと関係があるいろいろな物の展示してあります。

牌坊

 瑠璃牌坊ともいいます。緑と茶色のコントラストがきれいです。それに朱を加わって(ちょっと褪せているが)実に鮮やかです。至るところに施された何種類もの文様が今になってもよく残されています。

牌坊の基段

 瑠璃牌坊の足元です。この部分には特に色が塗られていませんが、石の浮き彫りだけで充に美しいものです。その模様は他の場所ではあまり見られないものです。年月を経た割にはかなりよく残っています。

    

排水溝

 これは珍しい獅子をかたどった彫刻です。両脇上に排水溝がありますが、これは歩道からの排水で、この獅子の口は地下とつながっていて、排水の作用をします。

修道堂と羅鍋槐

 国子監の東西に3つずつ教室が並んでいて、東西六堂と呼ばれます。その一つは修道堂です。これは中級クラスの教室だったそうです。その右にある木は羅鍋槐という槐(えんじゅ)の一種です。

正義堂

 左の真ん中で仕切られている正義堂は初級クラスの教室でした。

 右側にチェス駒のように擬宝珠(ぎぼし)が並んでいますが、全て距圜池を囲む手すりです。地面には形の整った石畳が敷いてあります。

辟雍を囲む回廊の欄間

 色使いは赤と緑を基調としたよくあるものですが、文様は独特です。完璧に様式化された植物の形の完成度が高くて綺麗です。また、梁(はり)の色が右と左では緑と藍が逆に使われています。左右対称が多い中では珍しいことです。

敬一亭の門の装飾

 敬一亭というのは皇帝が監生から学問を聞く時に使われた場所で、国子監でも一番奥にある建物です。

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