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中国中部、河南省の北部にある歴史の町、開封は一千年前の北宋時代の都です。この一千年前に栄えた歴史文化の町では食の文化も特色があります。
開封で圧倒的に人気のある「小吃」は「灌湯包子」という饅頭で、その歴史は一千年前の宋の時代に遡ることができます。その特徴は「湯」にあります。つまり、饅頭には具(餡)のほかに肉汁もあります。普段、家でギョーザや饅頭のような具(餡)のあるものを作る時、皮が破れないように、なるべく具の水分を切ってから包みますが、これはわざと水分をある程度残して包むんです。
また、その肉を選ぶ時もこだわりがあり、豚の後足しか使わないということです。それをひき肉にして、数十種類の調味料を入れてから、さらに、何回もかき混ぜて、具が出来上がりです。
この「灌湯包子」は「先開窓、後喝湯」という食べ方で食べます。先に、窓を開けるというのは、まず、一口で皮を破って、中の汁をちりれんげに入れてから汁を飲みます。それから、饅頭を食べます。お酢をつけて、ニンニクと一緒に食べると、一層、美味しくなります。
「灌湯包子」は味だけではなく、形にもこだわりがあります。一個の饅頭には必ず22から24の襞(ひだ)がなければならないのです。まるで菊の花のようです。
9月になると、開封では「菊花包子」、菊の饅頭が食べられます。饅頭の具に菊の花びらが入っていて、食べると、菊の香が口の中で広がるような食感がします。
開封には有名な魚料理、「鯉魚焙面」があります。まず、有名な黄河の鯉を油で揚げて、甘酸っぱい餡をかけます。それから、髪の毛ほど細い麺を揚げて、被って、出来上がりです。その麺ですが、技術の高い調理師は、1キログラムの麺を100キロメートル余り伸ばすことができるということで、かなり細いです。食べる時、まず、麺を食べてから、魚を食べます。揚げた麺で具をつけて、口の中に入れるとすぐ蕩けるのです。
この料理は歴史上の事件とも関係があります。紀元960年、宋の初代の皇帝趙匡胤は(もちろん、その時はまだ皇帝じゃなかったんですが)軍隊を率いて、陳橋というところにやってきました。ここで、部下に皇帝しか着られない衣装である黄色の服を着せました。それだけで、反乱と同じ罪になりますから、趙匡胤は、クーデターをせざるを得なかったということで、反乱が起こり、自分が皇帝になった話があります。この料理は「陳橋兵変」の意味から、考えられたそうです。鯉は陳橋で反乱を起こした趙匡胤で、麺はその部下にかけられた黄色の服です。」

このほかに、開封の「夜市」も有名です。地元の小さな魚と八角など調味料を弱火で長時間をかけて煮詰めた「黄メン(火悶)魚」、開封の人がお客さんをもてなす時の締め括りを表す料理「馬豫興筒子鶏」もあります。
今度開封に行く時、その「小吃」も食べてみてくださいね。
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