周荘鎮は蘇州市街区の南東38キロのところにあり、上海と蘇州との間にある典型的な江南の水郷です。ここの風景に魅せられて、著名な画家、呉冠中氏は「黄山は中国の山川の美を集め、周荘は中国の水郷の美を集めた」と周荘を讃えた文章を残しました。また、海外のメディアは、「周荘は中国で一番の水郷である」と評価しました。
周荘には九百年近い歴史があり、豊かな文化を持っています。西晋の文学者である張翰、唐代の詩人である劉禹錫や陸亀蒙などは、かつて周荘に居を構えていました。さらに周荘は、元の末期から明の初期まで、江南地方で名を知られた大富豪、沈万三の故郷でもあります。
周荘は900年あまりの風雨にさらされてきたにもかかわらず、依然として昔からの水郷古都の様子を保っています。周荘鎮の住居の60%以上が明、清時代に建てられたもので、わずか0.4平方キロの小さな町には百軒近くの古い屋敷と60軒ほどのレリーフが施されたアーチがあります。さらに、周荘はまたそれぞれ特色を具えた14基の古い橋が残されています。
周荘鎮全体は川で街が成り立ち、橋と街が連なりあっています。住宅はほとんど川に沿って建てられ、大邸宅が深く、背柱が重く、庇も高いのです。河の埠頭は回廊のようで、街の騎楼を過ぎ、竹や石の欄干を抜けて、河辺にある楼閣を臨めば、昔のままの景色に古めかしい香り、水と街は一体となり、古風で明るく清潔な静寂に満ち溢れています。これが、まさに江南地方の典型的な「小橋、流水、人家」です。
周荘は水の世界です。旧い街並みのまわりは水に囲まれており、まるで水面に浮かぶ一株の睡蓮のようです。河は「井」の字の形を為し、河があり、街があり、そして必ず橋があります。橋によって街ができ、橋によって市場ができ、橋と橋は互いに眺めあい、互いに連なりあい、水郷の周荘の魅力を増しているのです。
周荘は現在に至って、元代、明代、清代に建てられた14基の橋が残されており、当推双橋、富安橋、貞豊橋、福洪橋などは、その代表的なものです。舟に乗って、橋をくぐり、洞穴を抜けることはなかなか情緒があるものです。橋をくぐると景色が変わり、橋頭を曲がると風景が違ってきます。ここの「水、橋、街」は「精緻」そのものを物語り、高雅な異境を浮き彫りにするのです。
周荘から、水路で一時間ほどで、有名な古い街「同里」へとたどり着くことができます。
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