
近代的なショッピングモールが並ぶ王府井とは違い、古い北京の雰囲気を味わえるのが前門です。今、この一帯で、大改造作戦が進行中です。
中でも外国人にもなじみの深い大柵欄地区の再開発が注目されています。ここには、同仁堂、全聚徳、張一元など有名な老舗が店を構えています。また著名人の住居が数多くあったことでも有名です。
大柵欄は明の時代から商業の町で、560年の歴史があります。「買い物と遊びは大柵欄へ」ということばもあったそうです。弘治元年(1488年)に夜間外出禁止令が出され、その際、この地区の出入りをチェックするため、大きな柵が設けられました。それがいまの地名となって残っています。

114の胡同(フートン)、いわば横丁がありますが、77の胡同はあまりに狭く、ここに建てられている家も古いものばかりです。20平方メートル足らずに一家6人で住んでいる例もあり、下水道管や電気設備が不十分なところも目立ちます。だから、住民の多くは町の改造、家の改築を長年望んできました。
工事は北京五輪が始まる2008年まで続き、前門大街の西側を南北に通る煤市街の幅は、一挙に24メートルまで広げられます。そして、延べ200万平方メートルの住宅が整備されます。住民の居住面積はぐんと広がることでしょう。旧と新が混じり合った商業業区の誕生が楽しみです。(撮影・文:吉田 明)
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