北京市中心部から、北東方向に車でおよそ30分。どこにでもあるような、ごく普通の団地の入り口に、なぜか居酒屋の赤いチョウチンが。
敷地に入っるとすぐ、小さな店構えの日本料理店が見えてくる。店の名前は「雪江」。ドアを開けると、カウンターの向こうから板前たちが元気よく「いらっしゃいませ!」と声をかけてくれる。カウンター席が中心で、奥の間にはテーブル席も。赤を基調としたインテリアは、温かみがあってホッとする。
昨年6月にオープンしたばかり。だが、早くも在北京日本人たちの心をつかんでいるようで、店内は平日でもほぼ満席。人気の理由は、「リーズナブルな値段」と「家庭的なメニュー」。中国では、「量が少ないわりに値段が高い」というイメージがある日本食。しかし、雪江では、「日本の家庭で出される料理」にこだわっている。サバの味噌煮、きんぴらごぼう、冷奴・・・特に、長期滞在の駐在員たちにとっては、懐かしい家庭の味がうれしい。
また、カウンターには、日本各地の焼酎がズラリ。お酒だけを楽しむことも出来る。
店長・章華暉さんは、日本滞在歴11年。大学時代にアルバイトしたことがきっかけで日本の居酒屋文化に惚れ込んだ。「小さな居酒屋だと、来ているお客さん同士、友達になれたりするでしょう?そういう雰囲気が好き。ここ最近、中日関係がギクシャクしていますが、中国人が日本文化に触れるきっかけにもなってほしいと思います。」
毎日、店に出て接客もこなす。日本人の奥さんや常連客からアドバイスを受けながら、客に和んでもらえる店作りを目指す。(撮影・文:末永 由希)
<住所>北京市朝陽区酒仙橋十二街坊15号楼
(東四環を「東風北橋」で降り、東へ500メートル。右手にある団地入り口の赤いチョウチンが目印)
<電話>010?6435?1348
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