龍脊は広西チワン族自治区桂林龍勝県東南部の平和郷にあり、山が多くて、形が龍の脊椎に似ていることからその名をつけられたのです。ここの山が段々畑に覆われていることから、よく知られています。長距離バスで山間を走った際、両側の緑の段々畑が目に入ってきます。段々畑がつながっていて、最も高い海抜は1185メートルで、最も低いのは300メートルです。谷から山の頂まで、土のあるところで段々畑がきちんと開かれています。
実は昔長い間ここに住む人がすごく少なかったのです。14世紀のころ、チワン族とヤオ族の祖先が戦争を逃れるためにこの山奥に引っ越してきました。生き残るために、祖先が山の下から掘り出し、こつこつと段々畑を作ったのです。この段々畑はとても平らで、機械がなかったに作られたものとは思えないほどです。今の人々から見れば、これらの段々畑はすばらしい芸術品とも言えます。
夕方山の頂上から周りの景色を見渡すと、果てしなく続く山々が700年の歴史を語っているようです。この時、歴史や、自然と対話している感じがしました。
夜はここにはよい宿泊施設があります。近くには平安寨という村に100世帯余りのチワン族が暮らしています。彼らが吊脚楼という独特な家屋に住んでいます。吊脚楼の後ろの部分は山の斜面を壁として使い、前の一部分は柱で支えています。これらの柱が足のように伸びていることから、こういう名前がつけられました。この吊脚楼は風を通しやすいので、南方地方の少数民族に重宝されています。
龍脊を訪れる観光客が多くなるにつれて、吊脚楼に住む体験をしてみようとする観光客も多くなってきました。それで、平安寨では多くの民宿が出てきました。
そのうち、"月の湾"という民宿は杉で作られた三階建ての吊脚楼です。一階はもともと家畜を飼育するところですが、今旅館の休憩室として使われています。二階と三階が客室です。ここには、「竹筒飯」という竹筒で焼いたおいしいご飯があります。この「竹筒飯」はにおいのあるもち米とシイタケ、水を竹筒に入れてから、センで竹筒の口を封じ、火の中に入れて焼いてできたのもです。できたご飯は独特な香りがあって、香ばしいです。
ご飯を食べてから、段々畑の夜景を見ることは極上の楽しみです。
夜になると、空にはたくさんの星がきらめいています。祭りが行われる際、段々畑のあちこちにはタイマツが点されます。その時は、龍の背中がはっきり見えるようになります。また、地元の人と一緒に歌ったり、踊ったりして、十分少数民族の生活風習を味わうことができます。
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