シルクロードは2000年以上の歴史を持ち、アジアを貫き、ユーラシア大陸をつなぐ7000キロの陸上貿易通路でした。かつて唐の時代の都(今の陝西省の省都)西安を起点に、中国の陝西省、甘粛省、寧夏ホイ族自治区、青海省、新疆ウイグル自治区を通り、また、現在の独立国家共同体、アフガン、イラン、イラク、シリアなどの国を経由して、地中海の東岸まで続きます。中国のシルクはこの道を沿って、ヨーロッパへ運ばれたのです。
今のシルクロードはこのような貿易機能がなくなりましたが、その沿線に点在している民族情緒豊かな町や壮観な自然風景、また数多くの歴史文化遺跡などが観光客の目を引き付けているので、観光のホットラインになったのです。
シルクロードの旅は1970年代、日本の観光客の要望を答えて、中国国際旅行社により、最初に企画したもので、それから、ずっと、中国国際旅行社のお勧め観光コースで、今では、日本人のほかに、欧米の観光客にもコース参加の要望が多くなっています。
ウルムチは新疆ウイグル自治区の中心都市で、シルクロードの要所でもあります。ウルムチのシシカバブー(ラムの串差し)や「手抓飯」と呼ばれるご飯を焼くにおいが漂う市場を歩くと、刺繍入りの帽子をかぶったウイグル族の老人や紗のベールをまとったウイグル族の女性に会え、そして、バザールにひびく中央アジアや中東から来た商人の売り声などが、古代のシルクロードの市場を歩くような錯覚に陥ります。
シルクロードを旅した経験がある北京大学歴史学部の牛電電さんは、新疆の市場について、「この旅で印象に残るものがたくさんありますが、その中の一つは新疆の市場です。新疆の市場はバザールと言います。バザールの日になると、地元の人々が最もきれいな服を着て、最もかわいいアクセサリーをするのです。ヴェールをする女性もよく見かけます。バザールでは、ウイグル族のおいしい食べ物を堪能できるほか、色鮮やかなシルクで目を楽しませることもできますよ。」と話した上、特に新疆南部のコルラ産の「香梨」のおいしさに魅了されたと言ってました。
コルラの「香梨」は2000年以上の栽培の歴史を持っています。「香梨」を食べながら歩くと、ミツバチが寄ってくるというほど香りがいいのです。地元の人の話では、この種の梨をよそで栽培しようとした人がいましたが、どうも品質が原産地にかなわなく、逆に、よその品種がコルラで栽培すると品質が原産地を超えるということです。
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