「洋観音」
1999年ポルトガル人がマカオを離れる直前にマカオ半島で造った観音の像です。観音像は西洋人の顔をしているので、現地の人に「洋観音」と呼ばれてきました。
海の向こうに立っている観音像は実は陸地と橋で繋がっています。観音像に向かって歩いて行くと、まるで海の向こうから観音様がだんだん近づいてくるようです。橋を歩いていると、仏教の音楽が耳に入ります。音楽と波の音を聞きながら、観音像の下にやってくると、その巨大さがよく分かります。
像の重さは50トンぐらいで、高さは20メートルです。観音様の足元にある蓮の高さは7メートルで、直径は19メートルです。蓮は16枚の花びらからなっています。またこの像は強い風にも耐えられるよう作られています。観音様の足元にある蓮にはドアがあり、中に入ることができます。
中は2つの階に分かれています。一階には、鑑賞室と記念品売り場があります。そして地下一階には、小さな図書室と50人が収納できる多機能(マルチ)ルームがあります。一階の壁にはたくさんの仏画や仏経が描かれ、多くの信者がこれらの絵や仏経を鑑賞にやってきます。本棚にはマカオの歴史に関する本が並んでいて、中国語のほか、英語やポルトガル語など外国語の本もあります。
裏の門から出てすぐ海が見えます。そとのベンチに座って海の音を聴きながら本を読むことは、どんなに心地よいことでしょう。
「質屋博物館」
マカオの一番の町・新馬路の目立たない場所に "徳成"という質屋の遺跡で造られた博物館があります。これは"2004年ユネスコアジア太平洋文化遺産保護賞"を獲得した質屋博物館です。
正門に入って、まず赤い屏風が目に入ります。この屏風は「接収板」といい、
質入をする人を隠すために造られたものです。屏風の裏にあるのがカウンターです。質入の人と店主はここの小さい窓口を通して取引します。質屋のカウンターはとても高くて、強盗や泥棒を防ぐほか、質入の人を威嚇する役割もあるそうです。
さらに、カウンターの右側にある門から中に入ると、部屋があります。この部屋は取引するところでもあり、質屋の主な仕事を行うところでもあります。中には、店主や従業員たちが使った道具や、昔の質札などいろいろな資料が展示されています。壁にはもう一つ、板がかかっていました。それには、従業員規則が書かれています。従業員たちは仕事が終わってから必ず業務学習をしたそうです。
質屋では特別な記号を使って帳簿をつけていました。それは"鬼画符"と呼ばれ、つまり鬼が書いた文字という意味で、安全のために、長年の積み重ねで作り上げた記号です。博物館にはその記号でつけられた手帳が展示られています。
質屋の後ろの門と倉庫の門は向かいあっています。間には1メートルぐらいの通路があり、防火と防水の役割を果たしています。倉庫は7つの階があり、一階には最も重要な宝物を置き、2階から7階には一般の質入の物が保存されていました。この倉庫の壁は花崗岩と鉄で作られたもので、鉄砲でうたれても、なんともないそうです。倉庫の窓は梯形の形で、盗難を防いだり、光を入れたりする役割を果たしています。この大きい倉庫から、昔の質屋の繁栄ぶりが垣間見られます。
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