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平遥古城
   2005-11-28 11:12:00    cri

 

 平遥古城は中国中部の山西省にあり、その歴史は2700年前まで遡ることができます。現在、見られる平遥古城は14世紀以降、中国の明清時代の建築様式と風貌をそのまま残し、中国で最も完全に保存された文物群です。1997年12月、平遥古城はユネスコ・国連教育科学文化機関の世界文化遺産リストに登録されました。

 平遥古城は山西省の省都太原から100キロ離れるところにあります。高さ12メートで総延長6000

 メートルを超える城壁は平遥を二つの世界に分けています。城壁の中は古城で、町の風貌や建築物の構造など、昔と変わりなく残されていますが、一歩城門を出ると、現代化された平遥県に入ります。ガイドさんの話によりますと、古城の形は巨大な亀のようだということです。平遥古城の南の城門は亀の頭のようで、門外両側にある井戸は亀の目のようです。北の城門は亀の尻尾のようで、古城で最も低いところになり、積水がここを通って外へ流れます。また、古城の東西にもそれぞれ二つの小さな城があって、亀の足のようです。

 平遥古城の素晴らしいところは、外観が巧妙に造られたほか、中の四本の大通りと八本の通り及

 び72本の横丁とも機能別に配置されています。更に、当時山西地方の住宅が、ほとんど青いレンガとグレーの瓦でできた四合院なので、町全体の造りは東西南北の網の目のようなしっかりしたものです。四合院の特徴といいますと、壁が高いことと屋根が庭に向いて外が高く、中が低いことです。壁が高いのは商売人が多かったので、強盗などを防ぐためで、屋根が庭の中の方へ斜めになっているのは、乾燥した北方にとって、貴重な雨水を貯めるためです。

 平遥古城には四合院式住宅が3700箇所あり、そのうちの400箇所はよく保存されているそうです。これら残された建物だけでも当時の繁栄ぶりが偲ばれます。これら建物は当時のままなので、明清時代の古城はどんなに繁栄していたのか想像できます。古城を歩くと、その時代の平遥城にいる錯覚があります。

 銀行に相当する「票号」

 平遥古城が当時繁栄したこと言えば、「晋商」(山西省出身の商人)が大きく貢献したのです。平遥は昔から貧しいところですが、交通の便に恵まれ、行商をする人が多かったのです。これら行商人の中に、全国的に有名な商人も多く出ていました。「晋商」の最も大きな貢献といえば、現在の銀行に相当する「票号」を創設したことです。よそで商売をしていた商人が、大量の現金を持って行ったり来たりすることも不便ですし、盗まれたり奪われたりする恐れもありますから、「晋商」は新しい為替方法ーー「票号為替」を作り出しました。したがって、平遥古城で中国初の「票号」ーー「日昇昌票号」が誕生しました。これで、商人たちが平遥の「日昇昌」で貯金すれば、その貯金証明書を持って、全国各地にある「日昇昌」の支店からお金を下ろすことができます。これをきっかけに、「晋商」、「票号」およびその支店が雨後の竹のように中国各地にでき、一時的に中国経済の動脈を握ったのです。

 現在、中国票号博物館になっている「日昇昌」は平遥古城の西大通りの繁華街にあります。南北65

 メートル、東西20メートルで、面積は広くありませんが、壁が高く、庭が大きくて奥深いです。庭は三つの中庭があり、当時、強盗が入りそうな場所に針金で造ったネットを張った上、鈴も懸かっていたそうです。「日昇昌」の小さな庭は現代のビルディングにある銀行と比べ物になりませんが、金融業発展の共通性が見られます。アジア経済の研究に携わっている東京大学の浜下武志教授は「日昇昌」票号に相当な興味を示しています。浜下武志教授は「東京大学の東アジア文化研究所には山西省の票号に関する帳簿が一部あって、私たちはそれを整理して資料集を発表しました。そこから、山西省の商人の一部の活動は中国国内だけではなく、アジア、特に東アジアの金融ネットワークとかかわっていたことを発見しました」と述べました。

 アクセスは次のようです。

 北京から夜行列車または飛行機で山西省の省都太原まで行きます。太原から毎日朝7時半から午後の

 5時半まで、50台あまりのバスが平遥へ向かいます。古城に入ると昔風の人力車に乗って、各観光スポットを回ることができます。入場料は人民元85元です。また、平遥の漆器が有名で、お土産としてはお勧めです。

ぶらぶら歩き
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