「1+1」という放送が北京でネット発信されているのをご存知でしょうか。この放送は、8人の目の不自由な人と1人の身障者が制作する番組です。北京の南の団地にオフィスを置き、2006年から、毎日1時間ぐらいの放送を続けています。
「1+1」という社名にしたのは、中国唯一の(1)身障者向けの放送として、「まず、アラビア数字がシンプルで、誰が見てもすぐ分かります。そして、世界的に通用しており、説明や通訳が要りません。また、『人』という字の画数は二画しかなく、1と1を支えあって初めて人になります。私たちは皆、支えが必要です」と、スタッフが説明してくれました。
どんな番組になっているのかと、聞いてみました。司会者の三人の声は明るく、弾みがあります。トークがダブったり、つまずいたりすることがないし、リスナーの書き込みを交えながら進んでくるのに、びっくりしました。まるで目の不自由な人たちが作っているとは感じさせません。
スタジオは、普通の放送局のと変わりません。皆ヘッドホンをつけて、トークしながらコンピューターでリスナーの書き込みを検索します。番組に使われる音楽やジングルなど、普通のスタジオのような音声です。ただし、これ以外の音声もあります。それは、コンピューターの文字を読み取る音声ガイドの声です。この読み取り機はコンピューターに取り付けられ、「私たちの目だ」と、スタッフは話しくれました。
話がダブルらなくするには、「腕や足で相手に軽く合図を送るだけでいい。互いにすぐ分かるから」と。
メンバーのほとんどが普通の短期大学か大学卒です。アナウンスはもちろん、取材、資料の収集はもちろん、放送まで全部自分たちが担当しています。
取材の初体験について、楊青風さんは、「町でのインタビューにチャレンジした。人の前に来たと思って、マイクを出していろいろ聞いたが、相手が何も返事しないことに、変だと思った。しばらく経って思い切って触ってみたら、電信柱だった」と話しました。
楊さんは、今回のパラリンピックでも、登録記者としてゴールボールで活躍しています。そして、毎日、中央人民放送局にリポートを送り、試合を見た感想などを述べています。(つづく)
「1+1」のアクセスは、www.yijiayi.org
(朱丹陽)
|