3月27日、北京オリンピックまで残り500日となるこの日に、北京で、(1)メダルのデザインが発表されました。今までのメダルと違って、その裏には(2)「玉」が使われています。金には白玉、銀には青白玉、銅には青玉がそれぞれ嵌め込められています。
硬くて冷たい感じを与える金属と、柔らかくて温和な感じがする玉、相反するもののコンビですが、つりあいがよく、互いに引き付けているムードに包まれています。
「玉」に対して、中国人は、いろいろな思いを抱えています。まず、「健康や幸せを守り、魔を避ける」ものとみられ、(3)「お守り」として使われています。ですから、子供を始め、男女を問わず、多くの人が「玉」製のペンダントをつけています。それに、友人や家族などにも、このような心を込めてプレゼントします。
それから、「玉」を「美しいもののシンボル」としています。女性を喩える言葉には、よく「玉」が付いているのはこのためです。たとえば、きれいな女性を指す言葉には、「玉人、玉女」などがあり、手を「玉手」、髪の毛を「玉髪」、目を「玉目」と表現するなどいろいろあります。
このほか、「玉」は「仁、義、知、勇、潔白」など(4)「君子」の美徳のシンボルともされ、「君子は玉で作られた飾りものを体からはずしてはならかい」とされていました。このことから、男性の名前に「玉」をつけるケースも多く、「素敵で、立派な」男性に成長する願いが込められています。
中国の先祖は、「玉」は天と地の(5)エッセンスの塊で、この世界では、天と地を通じられる唯一のものだと見ていました。このことから、天と地を祭るものには、「玉」製のものが多かったです。そして、皇帝は天子、王権は天の意思で授けられたことを表すため、皇帝は必ず「璧」という極上の「玉」を身につけていました。このほか、軍事、政治、宗教など、幅広く使用されていました。2000年ぐらの前の漢の時代の文化財である(6)「金縷玉衣」が世界で知られていますが、それは、「玉」には防腐作用があるとされていたからです。
このように、古代から現在まで、「玉」は中国人の心の中で、いろいろな意味が込められており、普段の暮らしで縁起のいいものとされています。メダルのデザインでは、「玉」に込められている「美徳」を生かして、選手たちへの尊敬や賛美を表現しているということです。また、北京オリンピックに使われる「玉」は、五大の玉産地から集められることになります。それは、陝西の「蘭田玉」、河南の「南陽玉」、甘粛の「酒泉玉」、遼寧の「岫岩玉」、新疆の「和田玉」です。
日々近づく北京オリンピック、「天と地のエッセンスを集めた玉」が選手たちをより輝かせることを期待しています。
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