今年の冬至は12月22日でした。この日になりますと、なんとなく「数九が始まった」という言葉が耳にします。ここで言う「数九」は「九を数える」という意味で、九つの「九日間」を数えるということです。つまり歌の形で、(1)冬至から3月に入るまでの81日間の天気の変化を表し、春が訪れるまでの人々の活動などが歌われています。では、この「九を数える・数九」の中で、何が数えられているでしょうか。
これを翻訳すると、次の内容になります。
「一つ目と二つ目の九日間は寒くて手を出せない。
三つ目と四つ目の九日間は川の水が凍り、平気で上を歩ける
五つ目と六つ目の九日間は沿岸の柳に萌黄色が尽く
七つ目の九日間は川に張った氷が融け始め、
八つ目と九つ目の九日間は雁が飛んでくる
九つの九日間プラスもう一つの九日間になると、
牛が田んぼを耕す」
冬至から三つ目の九日間、つまり西暦の1月は、寒さが最も厳しい時となります。五つ目の九日間はもう2月に入るのですが、春の息吹が感じるようになります。この後は、氷が融け始め、(2)渡り鳥も南から飛んで来て、農作業が始まるなど、本格的な春が一歩一歩近づいてきます。冬至の日から中国人は、この「数九」の歌を口にしながら、厳しい冬を凌ぎ、春の到来が待ちます。
このほか、冬至の日、地方によっていろいろな飲食習慣が伝わっています。たとえば、北京などの北方では、(3)ワンタンか餃子または羊肉を、上海、蘇州、杭州などを中心とする揚子江・長江流域の町では、(4)餡が入った団子や小豆ご飯を、台湾ではもち米で鶏、アヒル、亀、牛、羊などの形を作ったものを蒸して食べる習慣があります。
昔から歌い継がれてきた「数九の歌」、そしておよそ2千年前の漢の時代から伝わった多くの(5)飲食習慣。大昔、中国人は、昼が最も短い「冬至」の日に、特別な思いを寄せていたと言えるでしょう。
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