このごろになりますと、回りの住宅地の(1)ベランダに並べられるものは、(2)白菜が多いです。10個ぐらい並べられる場合もあれば、数十個が積まれいる場合もあります。白菜を貯蔵する家庭はこんなにあるのだな思いました。冬に入ると、野菜の種類が限られた時代、白菜は北方では欠かせない備蓄品で、白菜が山ほど積まれているのは、北方の特有の風物詩でした。そのころ、白菜は、次の年の春先まで家庭料理の大黒柱でした。今は、市場には年中、緑の野菜が出回り、冬でも、ほうれん草、トマト、(3)春菊、油菜などが並べられています。これらは値段的に高く、店頭ではいつも目立つところに並べられています。その代わり白菜は、これらの野菜の値段の五分の一にしかならず、よく端っこに置かれています。物資が豊かになった今、食卓を飾るのは、白菜が主役ではなくなったからです。でも、ベランダから見える白菜からは、白菜によって考え直させられました。
よく考えてみると、日常生活では、白菜料理は、実に多いです。(4)炒め物から、(5)前菜、蒸しもの、鍋物、(6)漬物までさまざまです。炒めものには、お酢と醤油などで味付けをする炒め物(7)「お酢の白菜」、きくらげといためる(8)「白菜炒木耳」、栗といためてしょうゆで味付ける(9)「栗子白菜」、細かく刻んで塩だけつける(10)「清炒白菜」などがあります。前菜の(11)「涼拌白菜」には、春雨と一緒にするものもあれば、えびの干物を入れるものもあり、くらげとするものもあります。漬物には、この二三年、韓国のキムチがブームになっているほか、東北では、発酵させる「酸菜」があります。この(12)「酸菜」で、豚肉の脂身と煮込む「酸菜」は、食欲を促し、「東北料理」の代表として、北京市民に親しまれています。鍋物として、「酸菜」はカニと一緒にしゃぶしゃぶを食べることができます。さらに、餃子や肉まんを作るとき、「白菜や豚肉」の餡が最もポピュラーなものです。また、民間では、白菜や豆腐でできたスープ(13)「白菜豆腐湯」は、「健康を守ってくれるスープ」だという言い伝えがあります。放送局の食堂で毎日出されているメニューには、「白菜と油揚げ炒め」があります。
色が白くて、味が素朴な上、値段も安い白菜は、今の時代、市場では見逃されやすいですが、実は、日常生活では相変わらず身近な存在です。
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