中国では、猛暑の日数を数える独特な方法があります。それは「伏天」(1)です。夏至(2)になってから数え始め、大体7月中旬から8月中旬までの期間に当たります。「伏天」は「初伏、中伏、末伏」と3つの段階に分け、大体30日間あります。今年は、初伏が7月20日から7月29日まで、中伏は7月30日から8月8日まで、末伏が8月9日から8月18日までです。「伏天」は「三伏天」(3)とも言い、これをしのぐため、日常生活でいろいろ工夫されています。
まず、緑豆湯(4)というお粥(5)を飲むことです。緑豆を煮込んだスープで、夏ばてを防ぐ最高のものとされています。家庭ではもちろん、学校や会社の食堂などではただで供給されています。
つぎは、酸梅湯(6)という飲料を飲みます。燻製した梅を砂糖水に入れて作った清涼飲料です。飲料水になるものもありますが、家庭では液晶状態にしたものを買って、お湯に溶かして冷蔵庫で冷やして飲むのが普通です。特に、子供のいる家庭では欠かせないものとなっています。
野菜としては、ニガウリ(7)料理を食べます。ニガウリを細長く切ってから、豚肉と一緒に炒めてもいいし、前菜にしてもいいです。また、長いもや鶏肉など一緒に煮込むスープもあって、真夏時新陳代謝を調節してくれる健康食品とされています。
そして、夏ばて防止の必需品として次のものがあります。
痒み止め(8)や蚊除け(9)などの効用を持つ花露水(10)があります。漢方が使われているオーデコロンの一種です。体に優しく、香りで蚊を除けることができることで、男女問わず親しまれているものです。
清涼油(11)も欠かせないものです。蚊や虫に刺されたとき、塗る清涼軟膏です。ちょっと頭痛のときもこれをこめかみに塗ると治るとされています。それに、除臭作用もあって、トイレに置く家庭もあります。普通の薬屋などで手軽に手に入れることができます。
「涼席」(12)も最も親しまれるものです。涼しい敷き着物です。わら、イグサなどで編まれているが、竹を素材とするものが多くなっています。シーツ、枕カバー、椅子の敷物などの涼席は身近な存在です。
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