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鳳凰の尻尾か鶏の頭か
   2006-04-24 10:53:03    cri

 今、中国で親として最も神経を使っている(1)のは、小学校6年生、中学校3年生、高校3年生のいずれかの学年の子供を持っている親たちだと言えるでしょう。9月の新学期にそれぞれ中学校、高校または大学に進学する(2)からです。

 息子が小学校6年生なので、私もその仲間入りをしており、今までなかった体験をしています。中国では出世に関しては、日本の「鶏口となるも牛後となるなかれ」と同じようなことわざ、「鶏頭となるも鳳凰の後となるなかれ」(3)があります。中国では「鳳凰」(4)は想像上の縁起のいい鳥で、鳥類の王として尊ばれていますが、日常生活ではこれと反対の「鳳凰の後となるも鶏頭となるなかれ」という意味で使う人も少なくありません。「鶏に喩えている普通の人間の中でトップの位置にいるより、鳳凰に喩えられているエリート(5)のグループで最も後ろにいたほうがいい」という訳です。このため、親戚はもちろん、担任の先生(6)や周りの人たちから、息子をよい中学校に入れるよう、プレッシャーがかかっているのです。

 原則としては近くの中学校に進学すべきです。けれども、中学校も普通校、区の重点校、市の重点校というランクがあります。近くの中学校が重点校でしたら何よりですが、普通校でしたら、鳳凰の尻尾になるためには親たちはいい学校を選択することになります。そのため、多くの児童たちが2、3箇所の希望校の試験を受けていました。3月の新学期が始まったときから、「ママ、班長(7)は市の重点校に受かったよ」「私、いい中学校に受かるかな(8)」といった話が、我が家の夕食(9)に交わされる決まり文句になりました。4月に入ってから、息子の小学校では200名ぐらいの6年生の父母を集めて、保護者会(10)を開きました。学校の責任者がこの区にある中学校のことを説明したり、一部の学校の面接日を紹介したり、児童が卒業試験に全力を尽くすことができるようにするため親として全身全霊を込めて(11)支援するよう希望を出したりしました。親たちは一言も聞き逃すまいという真剣ぶりでした。学校側が親たちに送る言葉は、「お金はいくらあっても尽きるときがあるが、子供は一生涯ついてくるのですから、この肝心な時期に、仕事やお金儲け(12)より子供を最優先にしてください」というものでした。

 私はあまり重点学校とか気にしないタイプですが、周りの雰囲気に飲み込まれたかのように、早速息子を連れてある中学校の面接を受け(13)、また四箇所の中学校へ事情を聞きに行ってきました。バスで30分ほどかかる距離ですが、今のところまだ結果は出ていません。「今年は北京市の方針が変わり、学校を選択することが禁止されたので、6年生全員の入学通知書が届いていない」と、先週の日曜日、息子の担任の先生に言われました。

 たとえ尻尾でも鳳凰の仲間入りになるための活動は一段落したものの、今、生涯で最も楽しい少年時代を、息子が勉強だけに埋没してしまって良いのかと、反省している所です。

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