北京ではバスの運転手さんが、満員乗客が吐き出す(1)吐息で曇ってしまうフロントガラスを拭く姿がよく見かけるようになりました。
さて、本格的な冬に入ってから、野菜や果物の摂取量が減ったせいか、私は(2)胸焼けがするときが多くなっています。かと言って(3)気の向くままに冷たいものを食べるわけにはいけません。どうすればいいかなと悩んでいるうちに、ある日オフィスで(4)真向かいに座っている同僚が、大きなガラス瓶に、菊の花、棗、みかんの皮そして(5)薄く切って(6)乾燥した赤いサンザシが入っていることに気づきました。これだと決めて、早速スーパーへ行って買ったのは、薄く切ったサンザシです。今は、それを(7)紅茶と一緒に入れて、私の出勤時の(8)飲み物となっています。紅茶の香りとサンザシの(9)酸っぱさ、よく合う味覚です。サンザシは中国原産で、毎年の春、梅に似た白い花をつけた後、赤い実をつけ、味は酸っぱいです。食欲を刺激するという働きがあることから、中国では冬になるとよくサンザシを原材料にしたものを頂きます。その中で最も親しまれているはサンザシ串です。串に挿したサンザシの表面に溶かしたお砂糖をつけて固まらせたものです。これは中国語では(10)「ビンタンフール」と発音し、毎年このごろになると、街頭でガスコンロを並べ、「ビンタンフール」を作る姿や歩きながらこれを食べる姿が目立ちます。このほか、サンザシから生まれた食べ物はいろいろあります。八種類の材料でできた(11)「八宝茶」の中にサンザシもあり、サンザシの砂糖漬け、漢方薬、ジュース、(12)羊羹など10種類にも及んでいます。肉類や油ものをよく取るこのシーズン、サンザシはありがたい存在です。
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