北京はしばらく雨のない乾いた日が続いています。みなさんのところはいかがでしょうか。
さて、最近、中国で話題になっているのは、吉林省の化学工場の爆発事故です。(1)地元の吉林市では(2)ベンゼンは燃焼によって毒性が分解され、大気汚染には至らなかったのだが、その廃棄物質は松花江に流れ込み、沿岸の住民の飲料水を脅かしていました。その被害は爆発が発生した吉林市だけではなく、松花江流域の雪国の町・(3)ハルビン市にも及んでいます。そのため、ハルビン市は4日間も断水し、汚水処理に追われていました。
ところで、松花江、吉林、ハルビンは、中国人に親しまれている地名です。松花江は長白山から西北に流れ出し、山に囲まれている吉林市を通り、さらに西北の平地に向かって流れています。そして吉林省と黒竜江省との界となる川に流れ込んでから東北に迂回します。ハルビンを通って黒竜江と合流し、ロシアを経て海に流れ込みます。中国人にとって特別な思いは、(4)「松花江の辺で」という歌で、抗日戦争中、東北人の多くが万里の長城の以南に逃げたという悲しみを歌った歌です。ハルビンは、19世紀末から(5)ロシア人が多く移住したことによって出来た町で、いまでもその時代のロシア風の建て物は、この町の面影を留めています。ハルビンは(6)「東洋のモスクワ」と称えられるほど、(7)エキゾチックな町です。それに冬には、氷の彫刻展を行うなど、「氷の町」という別名もあります。
今、ハルビンでは供水が平常に戻ったが、重工業の多い(8)東北三省、これからは二度とこのような事故が発生しないよう、願っている私です。
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