クリスマスを前に、中国の玩具メーカーは、海外からの大量の注文で忙しくなります。しかし、世界の金融危機の深刻化や経済成長の減速を受け、玩具、繊維製品、靴などを含む中国の伝統的な輸出製品の受注量と貿易額はいずれも減少する傾向があります。。これに対し、中国企業はさまざまな対策を取り、金融危機による輸出鈍化に対応しています。 

　中国税関総署の最新統計によりますと、今年1月から10月まで、中国の大口商品輸出量の増加幅は減少したということです。そのうち、繊維製品の輸出の増加率は去年同じ時期と比べ20ポイント、プラスチック製品は6ポイント下がりました。

　ところで、市場全体の不況に対し、一部の中国企業の受注量と貿易額は成長を保っています。中国最大の女　性靴製造企業の華堅グループの張華栄代表は記者のインタビューに答え、「去年の同じ時期と比べ、華堅グループの利潤は5％増加した。これは、企業内の管理体制の改革により運営の効率を高めたからだ」と述べ、さらに、「2006年以前、企業の収益はよかったが、現在外部の環境が悪く、生産コストやエネルギー消費へのコントロールを通じて、よい結果を出した。ある意味で、金融危機は企業の効率を高めるチャンスともいえるだろう」と語りました。

　靴製造業と同じく、中国の玩具製造企業も輸出市場の不況に直面しています。一部の企業は、技術革新を通じて、製品の開発やブランド作りに努めており、輸出額も伸びています。これに対し、中国広東省東莞玩具協会の陳祥佑会長は、「ここ20年来、玩具生産業は安い人件費を頼りにして、今日まで発展してきた。産業の技術革新は、これからの課題だ」と指摘しました。

　中国の輸出鈍化に対し、専門家は、「企業は自らの開発能力とブランド作りに努め、欧米諸国以外の市場を切り開かなければならない。同時に、金融危機は、関係企業の産業構造の改革にチャンスをもたらした。企業の合弁や再編を通じて、競争力と資源の合理的な配分を実現させることができる。長期的に見れば、これは中国経済の発展に有利である」としています。

　また、政府支援の面では、中国財政省は今年三回にわたって輸出還付金を引き上げました。このほか、12月1日から鉄鋼、化学工業製品、食糧、化学肥料などに対する輸出関税を減免することを決めました。

　陳徳銘商務相は、「中国企業は、改革開放30年以来の試練を乗り越え、市場に適応する能力が高くなってきた。市場の動きに応じて製品の構造を調整し、経営方式を転換し、新しい市場の開拓能力も大きく向上した。これらの企業は現在を乗り越えることができると信じている」と述べました。