イギリスの中央銀行・イングランド銀行は6日、金融危機への対応策として、政策金利を一気に1.5%引き下げ、3%とすることを決めました。これは約半世紀ぶりの低金利となっています。
イングランド銀行が金利を引き下げるのは、ここ1ヶ月で2度目のこととなりました。10月上旬にもイングランド銀行は政策金利を5%から4.5%まで引き下げましたが、その結果、イギリスの中小企業は、この程度の引き下げでは何の役にも立たないと一斉に非難しました。世論は、もしまた金利を引き下げるのであれば、0.5から1ポイント程度だろうと推測していたところでした。
一方、イングランド銀行はこの日声明を発表し、「現在、イギリス国内と海外の経済状況とその先行きは明らかに悪化している。金利を大幅に引き下げるのは、国内経済の成長を刺激するためだ」としています。
イギリス商工業界はこの決定に歓迎の意を表し、「これは貸付市場の緊張緩和に効果があるだろう」としています。
世論の圧力のほか、ここ数日発表された一連の統計によってイングランド銀行が今回の決定を下す要因となったと見られています。イギリス国家統計局の最新データによりますと、今年第3四半期のGDP・国内総生産は第2四半期より0.5%下がり、16年来はじめての減少となりました。また、6日発表された住宅価格指数によりますと、10月の住宅価格は9月より2.2%減り、前年同期より15%下がりました。
このほか、住宅に次ぐ消費財である自動車の販売量も重要な指数です。また、自動車の購買力を維持することも自動車産業にとっては必要な条件です。イギリス自動車製造販売業者協会が6日発表したデータによりますと、10月の新車販売台数は128万台で、前年同期より23%減少し、これは17年来の最大減少幅となります。このため、当協会は今年の予測販売台数を215万台まで下げました。この協会の責任者は、「適切な措置を講じ、消費者の自信を取り戻し、自動車の購入を促進しなければならない。イングランド銀行の金利引き下げによって消費者に何らかのメッセージが伝わるだろう」と述べました。
専門家は、「イングランド銀行の今回の大幅な金利引き下げは、銀行関連部門で確実に実行されるかどうかが、この措置が役に立つか否かのポイントである」と分析しています。過去数週間、イギリスのブラウン首相は、金融システムへの流動資金の投入、銀行の構造改革などに取り組み、最近は銀行の金利引き下げを呼びかけています。しかし、一部の銀行は政府の呼びかけを実施する考えがないようです。たとえば、アビィ銀行は新規顧客に対する分割ローンの金利を引き上げたばかりです。ブラウン政権はこれらの不確定要素に対応する準備が整ったかどうかは、はっきりしていません。(翻訳:ooeiei)
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