パキスタン南西部のバルチスタン州で29日の午前4時33分と5時13分に、それぞれマグニチュード5.0と6.5の地震が発生しました。
震源地はバルチスタン州の州都クエッタ市近郊の山間部で、市内の家屋およそ1000棟(むね)が倒壊しました。
被災地の行政当局者によりますと、8つの村が大きな被害を受け、罹災住民は4万6000人に上るということです。
救出活動に当たったパキスタン政府当局者は「地震による死者は115人、負傷者は300人で、がれきの下敷きとなった住民がまだ多数おり、死傷者は増える恐れがある」と語りました。
一方、地元のテレビ局は地震による死者は200人を超えたと報道しました。
大地震の発生を受け、ザルダリ大統領とトルコ訪問中のギラニ首相はいずれも犠牲者に哀悼の意を表しました。
ギラニ首相は犠牲者の遺族に30万ルピー、負傷者に10万ルピーを支援すると発表しました。
大地震発生後、被災地の政府と医療機関が臨時病院を設置し、迅速な救出治療活動を展開しています。負傷者の一部は近隣地方の病院に搬送(はんそう)され、軍はヘリコプター12機を救出作業に投入しました。
パキスタン政府はクエッタ市からテント2000張り、カラチとイスラマバードから毛布と衣服をそれぞれ5000枚、グラウンドシート4000枚、テント2000張りを被災地に搬送し、現地に移動病院2件を設置しています。
被災地では土を固めただけの家屋が多く倒壊しており、夜間の気温は零度以下まで下がります。
ジアラット地区には3000張りのテントが搬送されましたが、たさらにテント1万張りと暖房施設が必要です。
この地区では余震が続いており、土砂崩れや地滑りが避難住民と救出作業員の安全を脅かしています。
大地震の発生を受け、中国の胡錦涛国家主席と温家宝首相はパキスタン政府と国民にメッセージを送り、犠牲者に哀悼の意を表しました。
国連のほか、アメリカ、インドなどは人道支援を提供すると表明しました。
国際赤十字は救助隊の医療チームを派遣しました。
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