世界的な金融危機による原油価格の下落を受けて、世界石油輸出国機構・オペックは24日、ウィーンで原油減産の必要性について臨時総会を開きました。オペックのメンバー国は、減産に賛成していますが、その度合いについては一致した意見に達していないそうです。
オペックは来月18日に総会を開く予定でしたが、世界規模で広がっている金融危機による原油価格の下落を受けてこれを繰り上げました。オペックが生産した原油の価格は今年7月11日に1バレル140.73ドルの最高記録を出してから、値下がりが続き、今月22日に1バレル60.82ドルに下落しました。原油価格の下落は、世界経済の不況による石油需要の減少と関係があります。オペックが発表した月間報告書の中で、今年と来年の世界における原油需要量を少なく設定しました。世界エネルギー研究センターの予測でも、今年の世界原油需要量は15年ぶりの減少となる見込みです。
オペックの統計によりますと、13のメンバー国の日産量は3100万バレルに達しているそうです。オペックにとって、原油価格の下落を食い止める最も効果的で簡単な方法は減産です。メンバー国はこれに賛成しますが、減産の幅について意見がばらばらです。一部の国は、原油の日産量を50万バレルから250万バレルまでと削減しようとの考えを示しました。今年9月に、オペックは日産52万バレル減少するという政策を打ち出しましたが、今回の総会で減産が決まれば、今年二回目の減産となります。
オペックによる原油生産量の削減がオペックのメンバー国、それに世界経済にも影響を及ぼすので、その度合いを把握するのは難しいと言われています。原油の生産コストが国によって異なるので、メンバー国が期待する原油価格も違います。オペックの石油輸出トップを占めるサウジアラビアは、1バレル30ドル以上であればなんとかできると表明しましたが、アラブ首長国連邦が納得できる価格は1バレル40ドルで、カタールは1バレル55ドルとなっています。イランとベネズエラの場合は、1バレル100ドルの価格が受け入れられると示しています。メンバー国が納得できる原油価格は差があり、減産の度合いについても異なる考え方を持っています。オペックの石油輸出の2番目を占めるイランのゴラムホセイン・ノザリ石油相は23日に、原油の日産量を200万バレル削減しようと呼びかけました。
小幅の減産では原油価格をあまり値上げすることができず、かと言って大幅減産は低迷期に入った世界経済に悪影響を及ぼし、原油の需要量がさらに減少する恐れがあります。
オペックの輪番議長国、アルジェリアのシャキブ・へリル エネルギー・鉱業相は、原油の日産量を100万バレル削減すると主張し、価格が1バレル60ドルから90ドルまでならば金融危機に悪影響を与えないだろうとの考えを示しました。オペックの市場報告書も、9月の原油生産量を目安に毎日100万バレル減産していき、これから月ごとに日産量を削減していく必要があるとアドバイスしました。
オペックの臨時総会で、毎日100万バレルを減産するという政策を打ち出す可能性は高いのですが、原油価格の下落を食い止めることができないかもしれないと言われています。(翻訳:KH)
|