1月2日は2008年の国際市場原油先物取引の初日でしたが、この日取引価格は史上初めて1バレル100ドルの大台を超えました。
アメリカ東部時間午後零時6分前後、ニューヨーク商業取引所では、軽油先物の2月の渡し価格が一時1バレル100ドルの大台を超え、2007年の1バレル99.29 ドルを更新しました。最終値も99.62ドルと史上最高となりました。
また、ロンドン国際石油取引所では、2月渡しの北海ブレント原油先物価格は1バレル3.99ドル上昇し、97.84ドルの値を付けました。
関係者は、さまざまな要因が今回の価格の高騰を招いたと見ています。
まず、アフリカの主要産油国であるナイジェリアの情勢不安により、原油供給に対する懸念が引き起こされたからです。ナイジェリアの武装勢力は1日、主な油田を襲撃し、これにより多くの人が死亡しました。ナイジェリアはアフリカの石油生産大国であり、アメリカへの主な原油供給国の一つでもあります。その情勢不安が2日の原油価格の高騰を招いた主な要因とも言えます
そして、OPEC ・石油輸出国機構が2日発表した報告も、原油価格の上昇を促しました。この報告は「2024年まで、当機構は国際原油市場の需給を満たすことは出来ない」というものです。
また、先週アメリカの原油在庫量が減少したことによって、原油供給に対する憂慮が強まったと市場は予測しています。アメリカエネルギー省は3日に毎週の石油製品在庫量に関する報告書を発表します。市場関係者によりますと、先週アメリカの原油在庫量は約170万バレルが減少したということです。
また、西側主要国の通貨に対し、アメリカドルが引き続き値下がりし、金の国際価格や主要商品の先物価格は上昇しつつあります。北半球は冬季にあたり、燃料を使うピークを迎えています。また、パキスタンのブット元首相が暗殺された事件も原油価格の高騰を招いた要因の一つでした。
更に、関係者は、特に国際原油市場供給の不均衡が主な原因だと見ています。
2003年以来、世界経済の成長率は4年連続して4%を超え、第2次世界大戦以来最も長い経済の急速成長期に入りました。原油価格が上昇しつつあるにもかかわらず、経済が急速成長しているため、石油に対する各国の需要も絶えず拡大しています。国際エネルギー機構の予測では、今後数年間、世界経済成長の下で、エネルギーに対する需要は引き続き拡大されていくということです。
しかし、原油採掘への投資周期が長い上、産油国の余剰生産能力が限られているため、短期的には市場供給の矛盾を緩和させることは出来ません。また、ドル価値の下落や、投資資金の大量流入、地縁政治の不安及び自然災害なども原油価格の高騰を促しています。
原油価格の今後の動向について、関係者は、「国際原油市場の需給のアンバランスは短期的に変わらないため、今年の原油価格は高値を維持していくだろう」と見ています。
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