アフリカの三大地域経済組織であるEAC・東アフリカ共同体、COMESA・東南部アフリカ共同市場、SADC・南部アフリカ開発共同体に加盟する26カ国の国家元首と政府首脳は22日、ウガンダの首都・カンパラで、初の三大地域組織共同首脳会議に出席し、アフリカ経済一体化の促進とアフリカ経済共同体の目標の実現をめぐり討議することになります。関係者によりますと、この目標が最終的に実現すれば、アフリカ諸国間の貿易往来に有利な条件が整い、アフリカ諸国の発展にチャンスがもたらされます。しかし、これと同時に、アフリカ一体化プロセスは平坦な道ではなく、様々な問題に直面するだろうとも警告しました。今日の時事解説はこれについてお話しましょう。
現在、アフリカの三大地域経済組織に加盟している国は26カ国と、アフリカ大陸の国家の半数を占めています。これは実にアフリカ全人口の60%5億人以上をカバーしていることになります。今回の共同首脳会議の主催国・ウガンダ国家秘書処の責任者ジョン・ムゲルワ氏は「アフリカ市場はきわめて大きく、多くのビジネスチャンスがある。もし、この三大組織を統合すれば、市場規模は今までの数倍に拡大される。アフリカの経済強国たとえば南アフリカやケニア、エジプト、リビア、ボツワナは異なる経済組織に所属しているが、統合されれば、アフリカ経済共同体の実力は高まるだろう。また、各加盟国間の貿易往来はより便利になる。特に、関税を下げることに伴い、国家間の貿易が盛んになるだろう」と指摘しました。
また「アフリカ諸国の経済は補完性を持つ。たとえば、アフリカ経済のリーダー役として南アフリカはハイテク産業の発展に取り組んでいる。一方、農業は発展しているものの工業が立ち遅れているケニアにとって、情報技術産業の発展は差し迫って必要となっている。この両国の間には相互補完性がある。しかし、両国は異なる地域組織に所属しているため、貿易は制度面で制限されている。貿易自由化が実現すれば、双方の経済発展を促し、共同繁栄を実現することができるだろう」と述べました。
このほか、東アフリカ共同体協調委員会チャールズ・ガサナ委員長は「アフリカ諸国は地域内における国家間貿易を通じて、その経済発展を実現する必要がある。西側諸国の経済援助ばかりに依存すべきではない。三大組織を統合し、アフリカ経済一体化を最終的に実現することは現状から脱出する最も良い選択肢だ」と指摘しました。
しかし、三大地域経済組織の統合は三つの問題に直面しています。第一の問題は多くの国が複数の経済組織に所属しているため、貿易政策の協調において大きな困難が存在している点です。第二は、貿易自由化に伴い、加盟国同士の競争が激しくなり、経済基盤が弱い国は一層苦しい立場に追い込まれかねない点です。第3の問題は政府の税関収入の削減をめぐり各国指導者の意見がまちまちである点です。これらの問題を解決するためには各国政府の共同努力が必要だと見られています。
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