朝鮮外務省の報道官は12日、アメリカが朝鮮のテロ支援国家指定を解除したことに対し、歓迎の意を表しました。しかし、韓国と日本は異なる反応を示しました。マスコミは行き詰まっていた朝鮮核問題はここで大きな進展を見せたと伝えています。
アメリカ国務院のマコーマック報道官は11日、「アメリカと朝鮮が核施設の検証問題について合意したため、アメリカは朝鮮に対するテロ指定解除を決めた」とした上で、「朝鮮はニョンビョン(寧辺)核施設の無能力化作業を再開し、米国やIAEA・国際原子力機関の監視員の活動を認める」と述べました。アメリカのヒル国務次官は今月1日、朝鮮を訪れた際、朝鮮側と交渉を行いました。双方は朝鮮の核計画の検証範囲がプルトニウム計画やその他すべての高濃縮ウランによる核開発と核拡散活動を含むことで合意しました。米朝双方が共に認めることを前提とし、六カ国協議参加国の専門家が公表されたすべての核施設だけでなく、未公表の核施設への立ち入りも許可されました。マコーマック報道官は、「以上の協議と合意の内容を六カ国協議の加盟国に通達し、六カ国協議参加国が実施する核検証協定の基礎となる」と明らかにしました。
これをうけて、朝鮮外務省の報道官は12日、「アメリカは政治的保障を承諾し、履行した。これと同時に、朝米双方は核施設の無能力化に応じた公正な検証システムの構築に合意した。六カ国協議において2007年10月3日に調印された協定が着実に実施されれば、朝鮮は核施設の無能力化検証において協力的な立場を取ることになる」と表明しました。
これに対し、韓国と日本は12日、異なる態度を示しました。朝鮮核問題を巡る六カ国協議の韓国代表団のキム・スク団長は「韓国はアメリカの朝鮮に対するテロ指定解除の決定を歓迎し、六カ国協議が近いうちに再開することを期待する」と表明しました。ただ、日本はアメリカが拉致問題を解決せずに朝鮮をテロ支援国リストから除外することに不快感を表しています。日本の中曽根弘文外相は「日本は関係国と連携しつつ、検証枠組み文書を速やかに調印することに取り組む」と表明しました。
朝鮮、アメリカ、韓国、日本の反応から見れば、朝鮮核問題をめぐる六カ国協議がまもなく再開され、各関係側は朝鮮・アメリカが達成した合意に基づき、朝鮮の核計画に対する検証案について協議することを意味します。これは7月に開催された六カ国協議の団長会合が定めた任務でもあります。
専門家は、検証問題により難航した朝鮮核問題をめぐり、朝鮮とアメリカは柔軟な姿勢を示し、妥協に至ったと見ています。アメリカ側は「われわれが提出したすべての要求は協定の中に盛り込まれた」と表明した一方、朝鮮側はアメリカから政治的保障を得たとしています。アメリカと韓国の専門家は「朝鮮の核計画放棄への道は依然として平坦ではなく、多年の努力にわたってこそ実現できる」と見ています。アメリカの高官は「朝鮮は検証問題において協力しなければ、アメリカは再び朝鮮をテロ支援国家のリストに入れる」と警告しました。万一、このような状況が発生した場合、朝鮮核問題はまたも揺れ動く可能性があります。
|