SCO・上海協力機構の首脳理事会第8回会合が28日、タジキスタンの首都ドゥシャンベで開催されました。会合で、中国の胡錦涛国家主席は「平和維持と共同繁栄という調和の取れた地域を目指して」というテーマで談話を発表しました。また、加盟6カ国の首脳がドゥシャンベ宣言などの文書に調印し、共同声明を発表しました。今日の中国リポートでは、会合の主な成果についてお伝えします。
胡錦涛国家主席は談話の中で、上海協力機構が設立して7年の間に「地域の安全確保、経済発展を促進し、政治、セキュリティなどの状況を大きく改善した」と高く評価し、「目下の国際情勢の中で、地域の平和と安定を確保することは各国の共通利益に合致する」と強調しました。また、「長期にわたる善隣友好協力条約を徹底させ、平和維持と共同繁栄という調和の取れた地域の構築をめざして、ともに努力していく」ことを呼びかけました。胡錦涛国家主席はさらに5つの提言をしました。すなわち、第一に、戦略的交渉を強化し、確固たる政治的な相互信頼関係を築くこと。第二に、セキュリティでの協力を緊密にし、地域の平和を守ること。第三に、経済協力を深め、互恵とウィンウィンの関係を実現すること。第四に、友情の架け橋となる人的交流を推進すること。第五に、開放の原則を貫き、調和の取れた地域関係を構築することの五つの提言です。
また、今回の会合の事務総長を務めたタジキスタンのラフモン大統領は談話の中で、「安全協力と経済貿易協力を二つの柱とする上海協力機構の国際的地位はさらに固められた」と語りました。今回の会合で、反テロリズムの共同軍事演習や武器、弾薬、爆発物の不法販売の撲滅に関する協力協定、SCO銀行連合体とユーラシア開発銀行とのパートナー関係に基づく覚書などの調印が行われました。
セキュリティでは、SCOは協力分野を戦略、国防、法律施行、情報セキュリティ、麻薬撲滅、武器弾薬などの不法販売、マネーローンダリング対策、多国籍犯罪組織などより幅広い分野に拡大しました。
会合では、次回議長国になるロシアの代表は、これらの目標の達成に向けて関連諸国とともに努力していく姿勢を表明しました。また、ウズベキスタンのカリモフ大統領は「アフガン情勢により注目し、テロリズムと麻薬取引を根本から撲滅し、アフガンの経済発展と安全確保を支持するよう」呼びかけました。また、カザフスタンのナザルバーエフ大統領は、国連などの国際機構と協力し、国際テロリズムの撲滅を徹底的に行うよう意見を述べました。
また、経済貿易に関する協力については、SCOの加盟国の間では、早くも2003年に、すでに多角的経済貿易協定を締結しており、現在では、交通、エネルギー、電気通信など20ものプロジェクトが進められています。その中で、2003年から2007年までの、中国とSCO加盟国との貿易額は3.4倍までに増え、同じ時期の対外貿易額の増え方をはるかに上回っていました。
今回締結されたドゥシャンベ宣言は、21世紀の世界各国は、より密接な関係で結ばれるようになり、安全と発展は切っても切れない関係にあるとして、共通の課題と脅威の対応策を共同で模索する意向を表しました。
28日に開催された第8回会合には、オブザーバーのモンゴル、イラン、パキスタン、インドの首脳や代表、およびタジキスタンが招待したアフガニスタンのカルザイ大統領も出席しました。次回の会合は、来年ロシアのエカテリンバーグで開催される予定です。
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