間もなく五輪が開催される北京市では、8月に入ってから3日間連続して晴れる日が続き、大気の質は中国で「優秀」とされる基準に達しました。これについて中国環境保護省は3日、北京で記者会見を開き、「五輪に向けた大気の質を確保する計画は達成され、北京の大気の質は『五輪状態』に入っている」と発表しました。
五輪期間中の大気の質を確保するため、北京市政府や中国環境保護省が提案し、天津、河北省などを含む北京周辺の5つの市や省が共同で行うプロジェクトが実施されました。このプロジェクトについて中国環境保護省汚染対策局の樊元生局長は、「明らかな効果があった」と述べました。
「環境保護省は中国監察省と共同して、今年4月と7月の2回、大気の質を確保するための措置の実施状況を調査した。その結果、工場や自動車による汚染などに対しては効果的な措置を取っていることが分かった。これに関する計画は、基本的に達成された」
今年1月から7月まで、北京の大気の質が中国で「良好」とされる基準に達した日は全体の70%を占める149日に及びます。また7月以来、汚染物質の一酸化炭素や二酸化窒素の濃度は去年と比べてそれぞれ15%、27%下がり、大気の質が明らかに改善されたということです。
また北京市では、五輪やパラリンピック期間中の大気の質を確保するため、自動車の通行制限や工事現場の管理強化、汚染物質を排出する企業の生産停止などの措置を実施しています。このほか、汚染物質が大気中に滞留する気象条件が発生した場合に備えて、北京や天津、河北省を対象に汚染物資の排出量削減対策案を作成しています。これについて樊元生局長は、次のように述べました。
「五輪期間中に極端な悪天候が発生した場合、大気の質を確保するための緊急対策として、北京や天津、河北省で自動車の通行をさらに制限する。数としては、北京では20万台、河北省では90万台を新たに制限する計画だ。天津では、すでに35万台を制限しているが、緊急事態の場合、その数を70万台までに引き上げる」
樊局長によりますと、北京とその周辺の合わせて6つの市や省が共同して大気の質を確保する措置により著しい効果が得られました。今後この経験を活かして、五輪閉幕後も、地域共同で大気の質を確保する措置を続けたいと、樊局長は語ります。
「大気汚染に対応するには、その地域全体が共同して行わなければならない。これから、周辺の市や省と連携して華北地域の大気問題を改善するとともに、今回の五輪をきっかけに地域的な大気汚染対策を推進していく」(翻訳:鵬)
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