2005年以来、中国の金融機関は五輪期間中に提供する金融サービスの準備に積極的に取り組んできました。3年間の努力を経て、現在、全ての準備が整っています。
北京五輪期間中、海外から多くの選手や役員、また観光客が中国を訪れます。国内外からの人々のニーズが多様化することから、各銀行は、営業店舗の配置見直し、ATMなど設備の新規配置などを進めてきました。中国銀行業協会の楊再平副会長は、「各銀行の努力により、五輪と関係する都市では、安全かつ便利、効率の高い金融サービス環境が出来上がった。懸念されている待ち時間の短縮なども改善された。今年4月末ごろから、1000カ所の銀行支店などに対し、綿密な調査を行った。その結果、待ち時間が15分以上になるのは8.04%で、去年5月の37.5%から大きく改善された」と語りました。
また中国の各銀行は外国人によいサービスを提供するため、多くの措置を講じています。各銀行は、外貨両替サービスなどができる支店を増やし、外貨業務の範囲を拡大しました。さらに、各営業所に各言語のサービスを提供し、さらに多くの銀行ATMでは、ビザカードとマスターカードが使用できます。
現在、北京の85%以上の銀行の営業所は、両替やトラベラーズチェックの取り扱いなど基本的な個人向け外貨サービスを提供しています。そのうち、82カ所が24時間の両替サービスを行い、16種類の外貨を取り扱っています。
中国のATMは、一定時間、カードを放置すると、機械内にカードが飲み込まれてしまうことがあります。使い慣れていない外国人がATMを利用する場合を想定し、各銀行は対策を考えています。これについて、中国銀行の岳毅・個人金融業務総裁は、「カードが機械に呑み込まれた場合、身分証明書、運転免許などによりカードを再発行する。再発行は24時間以内」と説明しました。
金融サービスに対する監督のため、現在、電話番号「12345」というホットラインが開通しており、8種類の言語で問い合わせやクレームなどに対応しています。窓口でのクレームに対し、多くの銀行は、解決策を考えています。中国銀行業協会の楊再平副会長は、「各銀行は、臨時的窓口を設置して、速やかにクレームを処理できるようにした。トラブルはできるだけ、その場で解決する。解決できない場合、速やかに上層部に報告して、時間内に返答する」と語りました。
このほか、五輪における特別な要求に応じられるよう、各金融機関は多くの面で緊急対応の策を立てており、そのシミュレーションも重ねています。停電やインターネット、パソコンの故障などによる営業の中断を防ぐため、98%の銀行拠点は無停電電源装置を用意しており、ほとんどの営業所で手仕事によって緊急業務を処理できるようになっています。(翻訳:洋)
|