中国四川大地震発生の後、被災地孤児の生活の安定と養育問題が社会から注目されています。中国民政省の責任者は6日、北京で「民政省は孤児の身元を確認した上で、孤児の生活の安定と養育問題の解決を急いでいく。孤児の救済と養育は政府の資金を主とした上で、社会からも募金などを募る」ことを明らかにしました。
中国民政省はこのほど「四川大地震で家族を失った人達の生活の安定と救済に関する意見書」という文書を発表しました。この文書の中では対象となる家族を失った人達の範囲を生活の所得がなく、労働能力がなく、養育者がいない児童、お年寄り、身障者のことであると定義しました。中国民政省社会福祉事務局の張世鋒副局長は「これらの人達は被災者の中でもっとも困難な人々で、中国政府がもっとも重視する対象者である」と指摘した上で、この文書の意義について「第一は政府主導、社会も参加、近い所での生活の安定を原則としたことである。第二は臨時的避難生活と長期的生活の安定を結びつける方法を明確にしたことである。第三は集中的養育と分散的養育を結び付ける方法を明らかにし、対象者の事情の違いによって、対応を区別することにしたことである。」と述べました。
この内、被災孤児の問題について、先ほどの張世鋒副局長の話によりますと、四川大地震では1000人余りの孤児が現れたとのことです。この中には、まだ家族がいるかどうかはっきりしていない子供も見つかっていない孤児も含まれています。中国民政省がこのほど発表した文書では孤児の生活安定保障方法について、親戚の世話、家庭での養育、集中養育など七つの方法が定められました。この中では、特に児童の権利の保護を強調し、親戚に世話をしてもらったり、養育をしてもらうことが可能な孤児はできるだけ現在の血縁や地縁関係を維持し、孤児が馴染みやすい家庭環境での成長を確保することが望ましいとされています。もし孤児の親戚が世話をする意向がありながら、生活が困難あるいは養育能力が足りなければ、政府は必要な生活保障をあたえるということです。張世鋒副局長はまた「できるだけ早く孤児とほかの被災者とを分けて、彼らの親戚を早く見つけると共に、四川省内で条件の優れている福祉機関や公立学校を探して、生活の安定を図りたい」とのべました。
北京安定病院の副院長で、児童心理医学専門家の鄭毅さんは被災地で十数日間滞在しましたが、児童、特に孤児の心理状況については良く理解しています。いま実施されようとしている孤児の養育の仕方について、鄭副院長は「孤児はよい援助を必要としている。中国の文化と援助の原則から見て、親戚による養育が非常に重要でしかも望ましい」と述べました。
鄭副院長はまた「親戚の養育であっても、関係部門が養育者の心理状態と性格を評価した上で、孤児に心理的な支援と物質上の保障を確保しなければならい」と語りました。
地震発生後、国内外から多くの人々が孤児を養育したいと申し込んできました。北京市の女性の湯さんはその内の一人です。「地震発生の翌日、わたしは震災孤児を養育しようと考えた。孤児の世話を通じて、国の負担を減らすこともできる。これは冷静に考えた後決めたものであり、自然に出てきた気持ちだ。」と話ました。
一般の人々の養育希望について、中国民政省社会福祉事務局の張世鋒副局長は「民政部門は孤児の一般向け養育募集をまだ始めていない。孤児の身元確認後、できるだけ早く展開したい。いつ始めるのかは、孤児の身元確認の時間にあわせなければならない」と述べました。
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