第62回国連総会は1日から、ミレニアム発展目標の実現促進についてのテーマ討論が始まり、『ミレニアム宣言』の早期実現について協議が始まっています。
2000年の9月、国連ミレニアムサミットでは、『ミレニアム宣言』が採択され、その後15年以内に、極端な貧困と飢饉の撲滅、初級教育の普及、持続可能の発展の実現などを含む8項目の目標実現を公約しました。また、この宣言は、発展、平和と安全は緊密な関係を持ち、多国間の協力を通じて発展を促すことを始めて各国の中心任務としています。しかし、これまでに8年の年月が過ぎ去り、各国の実施状況にはばらつきが見られます。また、気候の変動、食品価格の高騰および経済の鈍化などが、この目標の実現にとって新しいチャレンジとなっています。この様な背景の下に、国連のパン・ギムン事務総長は、ミレニアム発展目標の実現にむけ、今年9月の国連総会で高いレベルの会議を自ら主催することを決めました。そして今回討論では各界の意見を集め、今年9月の会議に備えることにしています。
パン・ギムン事務総長は、討論の挨拶で、「目標達成に向けて各国は確かに進展を遂げている。毎年、300万人の児童が救われ、エイズの治療を受ける患者は200万に増えた。しかし、実施のバランスが取れていない。特にサハラ砂漠以南のアフリカ地域の情勢は厳しい。このままで行くと、この地区では、八項目の目標すべてが実現できないだろう」と憂慮を示しています。
ところで、アフリカの発展を加速させるため、去年の9月、パン・ギムン事務総長は、アフリカ対策グループを作り、国際的な援助を呼びかけました。今、このグループは、経済の発展、飢饉の撲滅、児童の栄養摂取バランスを確保することなどを目指す『アフリカ緑の革命同盟』という活動を実施しています。また、インフラ整備への投資を増やし、生産力を高め、アフリカを世界の経済サークルに溶け込ませるよう呼びかけました。パン・ギムン事務総長は、「2008年は、ミレニアム発展目標の実現にとって肝腎な一年となり、最も貧困な10億人に注目する一年となるべきだ」との認識を示しました。
地域的な衝突やテロ活動などが頻繁に起こっていることを踏まえ、国際社会は、これまで、安全を重んじて発展を軽視する傾向にありましたが、今、国連は、この傾向を変えようとしています。ここ数年の国連主催の会議を見れば、安全と発展を緊密に結びつけ、発展がなければ、安全も最終的に保障できないという認識が普遍的なものになってきたことが分かるでしょう。さらに、発展は、発展途上国のことだけではなく、先進国にも途上国の発展を促す責任があります。とくに、グローバル化が進んでいる現在、一部地域で発展の問題が社会の前進を阻む状態になってくると、先進国は自国の利益ばかりを考えてはいられません。したがって、より多くの人は、共同の進歩と繁栄を実現するため、関係国が約束を果たし、発展途上国に対する援助を増やして、共に努力してミレニアム発展目標を実現するよう呼びかけるようになっているのです。(翻訳:李軼豪)
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