第62回国連総会で25日、年に一度の一般討論演説が始まりました。当日は、パン・ギムン事務総長やケリム総会議長をはじめ、ブラジル、アメリカ、フランス、イランなど27カ国の指導者が発言し、国連改革や気候変動、人権などの問題について各自の立場を述べました。
一般討論演説は国連総会の最も重要な活動です。国家元首や政府首脳、それに閣僚級代表などが、重要な国際問題について自己の立場を説明する重要な舞台だとなります。今回の国連総会は、パン・ギムン事務総長が国連事務総長に就任後初めての総会です。パン・ギムン事務総長は「国連は唯一の世界規模の民間国際組織であり、世界的な課題に対応しなければならない。各加盟国と連携し、改革計画を引き続き推進しながら、期待に背かない国際公共事業機構に発展させたい」と述べています。
ケリム総会議長は講演の中で、今回の年次総会の五つの議題を再び強調しました。五つの議題とはすなわち、気候変動、発展融資、ミレニアム発展目標、反テロ主義、国連改革です。ケリム議長は「気候変動問題が国際社会の関心の的となっている。各国が措置を講じ、環境と発展の問題を適切に解決することを期待している」と述べました。また「人類の財産が増加している一方、世界には格差拡大と社会不公正が依然として存在している。世界人口の約半分は一日の収入が2ドル未満だ。また、一億人の子供が貧困によって教育を受けられないでいる。ミレニアム発展目標を着実に実現してほしいと各国政府に呼びかけました。
また、国連総会の慣例によって、一般討論演説でアメリカが二番目に発言しました。ここ数年、アメリカは毎年この場で他の国を非難したり、逆に他の国から批判されたりしていました。しかし、今回は、ブッシュ大統領にとっては国家指導者として最後の年次総会でもあり、意外に温和な発言でした。イランの核脅威問題についても触れることなく、アメリカの立場を大まかに話したに過ぎませんでした。一方、初めて年次総会に出席したフランスのサルコジ大統領は、イラン核問題について強硬な立場を明らかにしました。サルコジ大統領は「もし、国際社会がイランの核兵器保有を許せば、地域の安定と世界の平和が脅かされることになる。これは「核拡散防止条約」に背いており、絶対受け入れられないことだ」と強調しました。
このほか、イランのアハマディネジャド大統領の発言も各方面の注目を集めました。アハマディネジャド大統領は、アメリカが「国連憲章」に背き、ダブルスタンダードを適用していると批判したうえで、「第2次世界大戦が終結し60数年経つが、アメリカは依然として、戦勝国の立場で国際事務を行い、他国の主権を侵害し、国連の名をけがしている」と指摘しました。
|