10月24日は、『国連憲章』の発効と国連成立62周年の記念日です。この日、ニューヨークの国連本部と世界の一部の国の首都ではさまざまな記念活動が行われました。国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は演説を行い、国連の役割をさらに高め、国連を国際社会が求める多国間システムの中心にするよう国際社会に呼びかけました。
国連は、第二次世界大戦の廃墟の中で設立された各国政府間の国際機構です。国連の成立は、戦後の新しい国際関係の確立を意味するものでした。戦後という背景の中で設立された国連はある意味で"大国統治"であるのはもちろんですが、"大国一致"という原則は同時に国際事務を処理する際の大国の責任を強調したものであり、人類が一般的な原則により世界共通の問題を解決しようとの願いを代表するものでもあります。これは、今日われわれが強調している多国主義の最初の形です。60年余りの間、国連は世界の平和と安全の維持、人類社会の発展において大きな役割を果たしており、人類社会で欠かすことができない重要な国際機構に成長してきました。
しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。ここ数年、一部の単独主義的な動きなど、数十年の試練を乗り越えてきたのです。イラク戦争の教訓を受け、国際社会が深く反省すると共に、グローバル化時代に人類は、貧困撲滅、気候の異変、軍縮と拡散防止、人権保護、ミレニアム発展目標の実現など一連の差し迫った問題を抱えています。国際社会は「戦争の抑制、平和の構築のいずれであっても、国際社会の幅広い参与と共同の努力、国連を中心とする多国間システムによる協力、及び適切な関与が必要である」と認識しています。パン・ギムン事務総長が今年の国連デーで述べたように、世界情勢が国連にプラスとなる方向へと発展しており、ますます多くの人が多国主義の重要性を意識しています。相互依存とグローバル化が進む今日、全世界の問題は全世界で対応し、解決しなければなりません。
では、国際社会が求めている多国間システムはどういうものなのでしょう?長年、多くの国が述べているのは、国連を中心とする多国間システムとは、公正で合理的な新しい国際秩序を樹立し、国際関係の民主化を実現し、世界の多極化を促進することだということです。ここの国際関係の民主化は、国の大小、貧富と強弱を問わず、すべてが国際社会の平等なメンバーであり、互いに尊重し、平等に交渉すべきで、いかなる国も自らの意思をほかの国に強いる権利がありません。ここでいう多極化は、多くの力の調和の取れた共存、バランスの取れた発展、共に国際社会の安定を守ることを指しています。国際関係の民主化を実現し、多極化の方向に向かって発展してこそ、全面的に新しい国際秩序を築き上げることができます。
もちろん、これらの高い目標を実現する過程の中で、国連が構造的な制約を免れることはできません。ですから、国際社会が共に努力し、十分に交渉した上で国連の改革、特に最高政策決定機関である安全保障理事会の改革を推し進めることが必要と言えるでしょう。
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