中国公安省は1日、チベット自治区のラサで3月14日に発生した暴動について記者会見し、最新の捜査結果を発表しました。それによりますと、今回暴動を計画、実施した中心グループの一人が逮捕され、この容疑者は、ダライ・ラマ勢力と連絡を取り、その指示に基づき分裂活動を行ったことを認めており、当局はラサでの暴動は、ダライ・ラマ勢力が北京オリンピックを利用して中国に危機をもたらす計画の一部だという証拠を十分つかんだとしています。
3月14日に中国チベット自治区のラサで発生した暴動では、暴徒らがラサ市内で政府の建物を壊したり、銀行や商店に放火したり、一般市民を殴りつけたりしたことにより、合わせて1000ヶ所あまりの商店や銀行、学校、住宅などが破壊され、18人が死亡し、380人以上が負傷しました。そして経済的な直接の損失額は2億5000万元近くに上っています
今回の暴動について中国の警察当局は、「これまで入手した情報から見ると、これはダライ・ラマ勢力が組織、画策し、国内外の『チベット独立』分裂グループが共同で実施したものだということが分かる」と指摘しています。1日の記者会見で、中国公安省の武和平報道官は、「3月15日以来、公安部門は、国外のダライ・ラマ勢力と密接な連絡を取ってラサでの暴動を計画し実施した何人かの容疑者を逮捕し、ダライ・ラマ勢力のある幹部の国内での活動範囲をはっきりさせた。ラサの公安部門は先日、暴動に直接関与した中心人物を逮捕したが、この男は、ダライ・ラマ勢力と連絡を取り、指示を受けて分裂活動を実施したことを認めた」と語りました。
ところで、今年の1月、「チベット青年会議」など7つの「チベット独立」勢力はインドのニューデリーで記者会見を開き、3月10日を期限として、中国政府がチベット独立の要求に応じなければ、「チベット人民大蜂起運動」という行動を実施すると宣言しました。これについて武和平報道官は、「ダライ・ラマ勢力のいわゆる『チベット人民大蜂起運動』は、北京オリンピックを利用して中国政府に圧力をかけ、社会の安定と国民の団結を破壊し、国を分裂することを狙ったものだ。ダライ・ラマ勢力が率いる『チベット独立』勢力が、オリンピックを政治化し、北京オリンピックを『チベット独立』実現の最後のチャンスとして、そのボイコットを計画しているが、これは、『オリンピック憲章』の精神に大きく違反し、平和を愛する全世界の人々を侮辱したものだ」と強調しました。
その上で武和平報道官は、ダライ・ラマ勢力が唱えている「平和な抗議活動」について、「真実が証明しているように、ダライ・ラマとその支持勢力が唱える『平和的な抗議活動』とは真っ赤な偽りである。われわれは、ダライ・ラマ勢力や『チベット独立』勢力の活動に警戒心を保つべきだ。偽りは真相を隠すことはできず、ダライ・ラマ勢力の国を分裂させようとする下心は、事実によって必ず暴露されるに違いない」と述べました。
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