アメリカのブッシュ大統領は28日、ホワイトハウスでオーストラリアのラッド首相と会談し、その後の記者会見で両国の首脳は改めて両国の同盟関係を強調しました。
会談後の記者会見で、ブッシュ大統領は、「オーストラリアは、アメリカの親密な同盟国であり、この同盟関係がラッド首相のもとで強化されると信じている」と述べました。ラッド首相も、両国の同盟関係は堅固で揺らぐことはないと強調しました。
イラク問題に関して、ブッシュ大統領は、オーストラリアがイラク復興に貢献したことを評価するとともに、オーストラリア軍の一部撤退について理解を示し、これが両国の同盟関係を損なうことはないとの認識を示しました。これに対して、ラッド首相は、「オーストラリアは、すでにイラクに1億6千500万ドルの援助を提供することを約束した。アフガニスタンでも協力を継続していく」と述べました。
両国の首脳は、またイランの核開発を阻止することでも同意したほか、両国の自由貿易協定や環境とエネルギー問題に関して意見を交わしました。
両国の首脳が積極的に両国の同盟関係を強調したことは、それぞれの国内と国際的環境のもとで行った共通の選択だと見られています。
両国は、57年にわたる軍事同盟関係を維持してきました。これを維持することは、双方の共通の利益です。文化や歴史的なことを考えると、アメリカの太平洋地域での最も親密な同盟国と言えば、オーストラリアにほかなりません。一方、オーストラリアは、安全保障、経済、科学技術の面でアメリカの支援が必要です。ラッド首相がアメリカを訪問の最初の国に選んだのも、両国関係がオーストラリアの対外関係の最も重要な部分であるからだと見られています。
ここ数年ブッシュ政府は、一国主義の外交政策を実施しており、イラク戦争を発動しました。オーストラリアでは、反戦感情が高まっています。ラッド首相は、去年の選挙戦ではイラクからの軍隊の撤退を公約し、勝利を収めました。就任後は、その公約を果たすとともに、アフガニスタンでの軍隊駐留は継続することにしました。また、イラクへ経済援助を提供するとともに、アメリカ政府との意思疎通を図り、オーストラリア新政府に対するアメリカの懸念を取り払うことに成功しました。
ブッシュ大統領の任期は、後1年足らずで切れますが、サブプライムローンによる経済問題で厳しさを増しています。民主党の大統領候補者からも、イラク問題での失策を批判する声が高まっています。国際的にも、アメリカの大国の地位は挑戦を受けています。こうした背景のもと、ブッシュ大統領も、オーストラリア政府の支持を必要とし、ラッド首相の訪米が、国内や国外にプラスの効果をもたらすことを期待しています。
アメリカとオーストラリアの首脳が同盟関係を改めて積極的に強調したのは、双方の共同の利益に合致するからだと見られています。(翻訳:李軼豪)
|