欧州委員会は26日、ユーロ圏の四半期定期報告書を発表し、ユーロ圏経済はますます厳しい下降状態に直面していくと予測しています。この報告はまた「大きな要因はアメリカ経済の著しい減速にある」と指摘しています。この日、アメリカのポールソン財務長官は「アメリカ経済は、順調に今の難関を乗り超えることができると信じている」と語りました。それにもかかわらず、関係者は「アメリカ経済が世界に与える影響は見逃せない。ユーロ圏への影響は最も大きい」と見ています。
世界金融市場は急激な変化が続いています。その主な原因はアメリカのサブプライム危機です。それによりますと、ヨーロッパの多くの金融機構にはサブプライム危機の影響による巨額の投資損失が起き、この地域のすべての金融市場も信用収縮に陥ってしまいました。投資家は自信を失い、株式市場も急激な変化を続けています。このほか、アメリカ経済の衰退はアジア太平洋市場にも影響を及ぼしています。アメリカ経済と緊密な関係がある日本、韓国、オーストラリア、香港などアジア太平洋地域の株式市場も、大きな下落状況が現れています。
アメリカドルは為替市場で値下がりを続けています。このため、たくさんの国と地域の輸出が減少しました。また、ヨーロッパとアメリカの経済も緊密な関係を保っているため、ユーロ圏の輸出も大きなダメージを受けました。輸出はユーロ圏の経済成長を牽引する主要な力の1つです。しかし、ユーロの対ドル相場の上昇が続いており、このほど1ユーロ=1.50ドルを突破し、史上最高値を記録しました。このことはユーロ圏の輸出競争力を大きく弱めました。EUが発表した最新データによりますと、去年第4四半期のユーロ圏の輸出の伸びはゆるやかになり、伸び率は第3四半期の2.1%から0.5%に下がったことが分かりました。
関係者は「国際原油価格の高騰もドルの値下がりと大きく関係している」と分析しています。アメリカの経済を刺激するため、FRB ・ 連邦準備制度理事会は去年9月から6回にわたって、利下げを行い、ドル値下がりの圧力になりました。このことから、原油先物を含む各種商品の価格が高騰しています。2007年、原油価格は58%上昇し、今月には、1バレル110ドルを突破しました。経済学者は「原油価格の大幅な上昇は間違いなく世界経済に大きな影響を与えた。さらに西側諸国の経済の衰退をも招いた」と警告しました。
アメリカのポールソン財務長官は26日、「金融市場が揺れ動くたびに、史上最悪のように受け取られているが、最終的にはきっと回復するだろう」と述べました。しかし、関係者は「アメリカ経済の衰退は短期間には回復できない。アメリカ経済と世界経済が下降する可能性はますます大きくなっている」と見ています。
(03/28 翻訳:Yin)
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