日本食の海外展開をサポートする「日本食レストラン国際フォーラム」が3月の27日と28日の両日、東京で開かれ、中国からは上海や北京の飲食店経営者ら約20人が参加しました。
このフォーラムは、NPO法人「日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)」の主催によるもので、日本と世界各地との食文化交流が進み、日本の食品や食材の輸出促進を目的としています。海外からは中国を含め日本食レストラン経営者ら150人、日本国内からは生産者、農業、流通業界、飲食サービス業関係者ら約400人が参加しました。
席上、日本の食文化や日本食の特徴に関する講演のほか、各国での「日本食」をめぐる状況報告や日本食レストランの海外展開の見通し等についてパネルディスカッションが行われました。このほか、海外参加者の、日本の食卓を支える食品の生産、加工や市場流通環境への理解を深めるため、築地市場や調理師学校、食品工場などの見学ツアーも行われました。
上海や北京からの参加者は「日本食の特徴やそれを支える文化的背景について理解が深まり、今後の店作りに生かしたい」「世界各地の日本食経営者の話が聞けて、良い交流ができた」「将来、日本食への投資をも検討に考えたい」などとフォーラムの開催を積極的に評価しています。また、「日本食の普及に対する日本の行き届いた取り組みに感心し、中国も大いに見習う必要を感じた」という声もありました。
JROによりますと、ここ数年、日本食の店数が世界各地で急増し、今では2万5000軒に(上海に約400軒、北京に約200軒)に達しています。JROが日本食の海外展開をテーマに、世界各地から参加者に来てもらい、大型フォーラムを開催したのは今回が初めてです。日本の食文化のピーアールとそれに伴う食材や食品輸出の拡大、ひいては、日本農業の活性化を促す効果が高く期待されています。
JROは、農林水産省のバックアップで07年7月に発足したNP0法人です。そのおもな活動内容は、日本食の魅力を世界に伝え、海外での日本食レストランの信頼度を高め、日本食と食材の海外市場開拓に寄与するために世界の日本食レストランをサポートするなどです。そしてこれまでに、台北、上海、バンコク、ロンドン、アムステルダム、ロサンゼルスの六都市で支部を設置しています。(取材・文:王小燕)
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