中国では、インターネットの急速な発展に伴い、ネット上での著作権侵害行為がよく発生しています。中国関係部門の責任者は17日北京で、「ここ数年、何度もインターネットの著作権侵害行為の取り締まりを行った結果、著しい成果を上げた。今後、政府はより多くの力を投入して、ネット上での著作権保護を強化していく」と述べました。
中国がインターネット時代に入ったのはそれほど長くはありませんが、発展のスピードは急速なものです。1997年末ごろ、インターネットの利用者数はわずか62万人で、ウェブサイトは4000近くしかありません。10年間の発展を通じて、利用者数は1億7000万人に増加し、ウェブサイトは131万に上りました。インターネットは人々の生活に深く入り込むと共に、ネット上での著作権侵害行為も避けることはできませんでした。例えば、映画や、音楽の不法な掲載、ソフトウェア、図書、ゲームなどの違法なダウンロードなどの著作権侵害です。
中国国家版権局の閻暁宏副局長はこれについて、「関係部門はこうした状況に対して、すでに3年連続して特別取り締まりを行なった。その取り組みの度合いは年年強化されてきた」と述べました。
閻暁宏副局長はまた、「2007年には、1001件の侵害案件を処理した。これは2005年と2006年の2年間をあわせた1.6倍だ」と述べました。
去年処理した重大案件の中には、違法な収益が1000万元を超えたものもあります。
閻暁宏副局長は更に、「取締り活動を強化すると共に、公安部門や電気通信部門との協力を強め、著作権保護に対する認識を高めている。また、科学技術の力を強化して、侵害行為を防いで行でいく」として、次のように述べました。
「現在、インターネット著作権の監督管理システムを確立し、技術力を利用して侵害行為を取り締まっている」
関係者によりますと、構築中のインターネット著作権の監督管理システムは、今年5月に実用化されます。主に、大きいウェブサイトに対し、音楽や映像などの無許可の掲載がないかを調べます。もし、音楽作品などの無断使用があった場合は、ウェブサイトには、ただちに削除を要求するメッセージが届けられます。そして、削除しないウェブサイトは処罰されることになります。
閻暁宏副局長によりますと、中国の法律では、インターネット上で著作権侵害が発生した場合、侵害者には、10万元以下の罰金が課されるほか、サーバーなどの情報発信機器が押収されます。今後、こうした処罰はさらに強化されるということです。
中国公安省は、ネット上の著作権侵害取締りに取り組んでいる重要な部門です。公安省経済犯罪偵察局の高峰副局長は、取締り活動を展開する際には、国際協力を強化すべきだと強調しています。
「中国の警察は、インターネット上の著作権侵害を取締る際に、大きな問題にぶつかっている。著作権を侵害した犯罪者は、インターネット上で国境を越えることができるが、我々の取り締まり活動は地域的に限られている。犯罪者はある国の処罰を回避するために、サーバーなどの機器を違う国に設置する。今までの案件は、ほとんどがこのようなケースだった。これは、我々の取り締まり活動に大きな困難をもたらしている。これに対応するためには、国際協力を強化しなければならない」
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