今年に入って国際市場で原油価格は年初の1バレル=50ドル前後から上昇し、夏になって40%上がりましたが、高騰の傾向が続き、11月21日、ニューヨーク市場の原油先物価格は一時1バレル=99.29ドルに上昇しました。
原油高騰は世界経済に大きな影響を及ぼし、インフレ圧力と市民の負担を拡大させ、金利上昇を誘発し、経済成長を抑制します。
メキシコシティーの住民ゴンザレスさんは、「石油価格が上昇して輸送料金は上がり、商品価格も値上がりした」と語りました。
中国社会科学院世界経済政治研究所の沈キ如研究員は、「石油の採掘可能年数はあと40年と言われている。経済の持続的発展で需要は拡大傾向にあり、これが原油高騰の主な原因である」と明らかにしました。
IEA・国際エネルギー機関によりますと、今年世界の原油需要量は1日8590万バレルで去年より1.5%増加しましたが、2015年に9800万バレルにのぼるということです。
また、大量の投機資金が原油市場に流入していることについて、沈キ如研究員は、「国際市場での投機活動は原油高騰のもう一つの原因である。先物市場で投機資金は情報と需給関係を利用して市況を押し上げている」と語りました。
更に、ドル安は原油市場への資金流入を促し、原油価格の高騰を助長しています。
これについて、イギリスの金融サービス企業BGCグループのビュイクさんは(音響の4)「ドル安が続いているため、アラブ首長国連邦などの産油国はユーロでの取引を視野に入れている」と語りました。
中東など地域情勢の不安定や自然災害も原油高騰の一因ともなっています。
こうした情勢で原油消費国はクリーンエネルギーなど代替品の利用を模索しています。
ブラジルではバイオ燃料の使用は輸入原油と石炭の40%を代替し、自動車の80%はガソリンとアルコールの混合燃料を使っています。
ブラジル産の自動車はアルコールとガソリンの混合燃料を利用し、全国のガソリンスタンドはアルコール、アルコール・ガソリン混合燃料、ディーゼル油を供給しています。
フランスでは排出削減のため、中古自家用車の廃棄に補助金を提供し、大型商用車や四輪駆動車など排出の大きな自動車に汚染防止税を徴収することになっており、自転車や公共交通機関を利用する市民も多くなっています。
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