国際市場の原油先物価額が15日、最高値を更新しました。この日、ニューヨーク取引所の原油先物11月渡しは2.44ドル高の1バレル86.13ドルで、12日につけた最高値の83.69ドルを上回りました。また、ロンドン国際石油取引所では北海ブレントの原油価格が2.20ドル高の82.75ドルでした。
この日、価格高騰の直接的な原因はOPEC・石油輸出国機構が発表した最新報告とトルコ軍がイラク北部で展開しているクルド労働者党武装組織に越境攻撃を行うとの予測と関わっていると見られます。また、OPECが15日に発表した報告では第4四半期のOPEC加盟国の一日当たりno量が前の月より11万バレル削減され、5104万バレルになるとの見通しが示されました。また、同報告は「世界の原油需要量が引き続き増加している」と指摘しています。OPECのこの報告はガソリン市場の懸念を引き起こしました。
同じ日、トルコ政府はイラク北部で展開しているクルド労働党武装組織に越境攻撃を行うとの案を議会に提出しました。このほど、トルコのエルドアン首相は「国家の利益のため、一旦、決定すれば、トルコはいかなる代価を払おうとも、越境攻撃を開始し、クルド労働党武装組織を掃討する」と述べました。関係者は仮に戦争が発生すれば、イラクの原油輸送ラインが断たれることを懸念しています。
また、アメリカの原油在庫が大幅に減少していることも価格高騰のもう一つの要因です。アメリカのエネルギー省が11日に発表したアメリカ石油在庫統計によりますと、アメリカの在庫は前の週に比べ170万バレル減少したということです。この他、国際エネルギー機構の報告によりますと、世界の主な工業国家の原油在庫は過去5年間の平均より下回っているということです。同報告は「世界の在庫減少は価格高騰の無視できない要因だ」としています。
今後の原油価格の動向について専門家の考えも異なっています。一部の関係者は「来年、原油価格が1バレル90ドルまたは100ドルを突破する見通しだ』として、「価格高騰の情勢はすでに引き返すことができず、原油需要の増加によって、新しい供給が需要に追いつかなくなり、原油価格は高騰し続ける」と予測しています。ただ、一部の専門家は「原油生産を脅かすハリケーンの影響は今後は無くなり、国際市場は調整段階に入っている」との見通しを示しています。
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