ナイジェリア政府がこのほどナイジェリアへの米軍アフリカ司令部の設置を拒否したため、米軍アフリカ司令部の場所の選択作業は再び挫折しました。
ナイジェリア政府は一貫してアフリカにおける米軍司令部の設置に反対しています。19日、ウマル・ヤラドゥア大統領は議員や州知事と会議を開き、この問題について討議しました。会議の後、クワラ州のブコラ知事はナイジェリアの最終的立場を明らかにし、「米軍司令部のナイジェリアへの設置に反対するだけではなく、西アフリカのその他の国への設置にも反対する」と述べました。
アメリカのブッシュ大統領は今年2月米軍アフリカ司令部を設立する計画を承認し、それを受けて、米軍は10月2日にその発足と部分的な運営を始めたと発表しました。しかし、設置する場所の選択でアフリカ各国の反対に遭いました。北アフリカのアルジェリアやモロッコ、リビア、東アフリカのウガンダ、南部アフリカ開発共同体の14の加盟国もすでに自国への設置や米軍に永久軍事基地を提供することに反対する態度を表明しました。
ナイジェリア国防省の高官は記者のインタビューを受けた際、「アメリカ当局はテロの脅威を強調しているがこれは一つのペテンにすぎない。地域情勢の危機を口実に米軍基地を設置しようとしている」と述べました。報道によりますと、ナイジェリア政府は「ワシントンの真の目的は石油にある」と見ています。
地域の資源が完全にアメリカにコントロールされることを防ぐため、ナイジェリア政府はすでにアフリカ連合や西アフリカ諸国経済共同体加盟国の首脳と会談し、ギニア湾への米軍の大規模な駐留を防ぐ問題について討議しました。アフリカ諸国はアフリカへの米軍基地の設置に不安を持ち、国家の主権が侵されるのではないかと懸念しています。米軍がアフリカに司令部を設置し、多くの軍隊を駐留させた後には、アフリカの国の内政が必ず干渉を受け、主権や自国資源の支配を失ってしまうに違いないと見ています。アメリカは世界の唯一の超大国として、いつも軍事手段によって問題を解決するやり方を取っていますが、これは多くのアフリカ諸国に心配を抱かせ、アメリカが武力によって、意に合わない国の政府を覆す可能性があると見ています。
そして、アメリカの高官がアメリカとアフリカ諸国との協力パートナー関係を大いに語っているときでも、アメリカの根本的な目的は自国の利益のためだとアフリカ諸国は信じています。2006年、アフリカはすでに中東地区を越えて、アメリカ最大の原油輸入先となったからです。アメリカは毎日、アンゴラなどから、150万バレルの原油を輸入しており、これは原油輸入量全体の16%を占めています。それだけではなく、アフリカからアメリカへの石油輸送時間は中東より半分ぐらい短縮することも出来ます。また、カスピ海沿岸や、南アメリカなどよりも原油供給の安定性やコストの面で有利な位置にあります。アフガニスタンやイラクなどのエネルギー戦略地区に対して軍事行動を取っている理由について、アメリカはテロ取締りや、地域の安定を維持するためだと言っているが、アフリカに対しても例外ではないだろうとアフリカ諸国は見ています。
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