今年5月と7月、アメリカとイランは、バグダッドで2回にわたって、大使級会談を行ったのに続いて、6日、両国はイラクを交えて、専門家級会談を行いました。その後、イラク駐在のアメリカとイランの大使がこの日、再度会談を行いました。世論は、「これまで2回にわたった大使級会談と同じように、6日の専門家会談は実質的な成果を上げなかった」と見ています。
これはアメリカとイラン両国の大使が7月24日の会談の際、約束したものです。会談では、主に3者治安委員会の構造や活動メカニズムなどの具体的問題について討議しました。この会談は3者治安委員会の設置を意味していると見られます。会談後、イラク駐在のアメリカとイランの大使はルバーイー・イラク国家安全保障担当顧問の要請で、再び会談し、専門家会談を総括しました。
イラクのアメリカ大使館によりますと、アメリカ代表団の団長はイラク駐在アメリカ大使館の政治、軍事担当の公使からなっています。会談は率直で厳粛な雰囲気のなかで行われ、各方面は討議を続けることで同意したということです。アメリカ国務省のマコーマック報道官も、「会談は専門的かつ、有益なものだった」と評価しました。しかし、会談に出席したイラン代表団は会談の透明性は認めたものの、アメリカを非難し、「アメリカのイラク占領が、当面のイラク情勢の悪化を招いた」と指摘しました。
世論は、アメリカとイランは討議を続けると表明したにもかかわらず、次回会談のスケジュールを明らかにしなかったことに注目しています。そして、4時間にわたる会談の後、3者とも、治安委員会の活動メカニズムなどの問題について合意したかどうかについて触れませんでした。専門家は、アメリカ・イラン大使級会談、そして3者治安委員会のいずれも、短期間にイラクの治安問題を解決することは出来ないと見ています。これには次の3つの理由があります。
一つには、アメリカとイランはイラク問題で、依然として重大な意見の食い違いが存在しているためです。アメリカはこれまで、イランがイラク国内のシーア派武装勢力に兵器の提供と訓練を行っていると指摘し、イラク駐留米軍と戦う武装勢力への支援を停止するようイランに要求しています。しかし、イランは、イラクの治安問題はアメリカの占領によるものだと強調しています。この問題で双方は譲歩していません。こうした状況の下では、3者治安委員会の設置によっても、多くの問題が解決されないでしょう。
ニつめは、イラン、アメリカ関係の緊張緩和の兆しが見えないためです。アメリカ軍の3隻の空母艦がすでに湾岸地域に配備されました。報道によりますと、アメリカのブッシュ大統領は任期内に、イランを攻撃する意図があるということです。これらの要素は当面の交渉にマイナスの影響を与えるでしょう。
三つめは、当面のイラク情勢の混乱は様ざまな要素によるものだということです。イラク国内のスンニ派とシーア派、そして、クルド人との間の宗教衝突、アルカイダ過激派の破壊活動、イラク各政党間の矛盾などがイラクの治安と安定に影響しています。また、外国部隊のイラク駐留はその主な原因の一つと言えます。
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