今月の18日から27日にかけて、全国人民代表大会常務委員会の呉邦国委員長はエジプト、ハンガリー、ポーランド3カ国に対する歴訪を行いました。今回の歴訪は中国・アフリカフォーラム北京サミットの成果の実施を促し、中国とこれら3国の相互信頼を深め、経済協力と貿易の重点分野と方式を明確にし、議会間の交流を密接にさせています。
中国全人代委員長のハンガリーとポーランドへの訪問は史上初のことであり、エジプトへの訪問は12年ぶりです。
中国はこの3カ国と伝統的な友情をもち、エジプトとは戦略的パートナーシップ、ハンガリーとポーランドとはぞれぞれ友好協力パートナーシップを確立しています。
呉邦国委員長は、エジプトの指導者と二国間関係と共に関心を寄せる問題について意見を交換し、ハンガリーの指導者とは、中国とハンガリーおよびEUとの協力について幅広く話し合いました。そして呉邦国委員長は、ポーランドではあらゆるチャンスを利用して、主に台湾、チベット、人権などの問題における中国政府の立場を説明したのです。
これに対しこれら3カ国の指導者はいずれも、一つの中国の立場を維持し、"台湾独立"に反対し、中国の平和統一を支持し、また、国際問題で中国との協議の協調を強化し、共通した利益を擁護していくとのそれぞれの立場を繰り返して表明しました。
ところで、エジプトはアフリカとアラブ諸国では重要国であり、率先して中国と国交を樹立した国です。呉邦国委員長の今度のエジプト訪問は去年11月北京で開催された中国・アフリカ協力フォーラムの成果の実施を促進することが目的でした。
訪問期間中、カイロで開催された中国アフリカ企業協力会議の席上、呉邦国委員長は講演を行い、アフリカとの協力に関する中国政府の政策実施状況を紹介し、双方の協力の重点を強調し、協力の方式更新や協力環境の改善などについて具体的な提案を行いました。
呉邦国委員長は、また、「中国・アフリカ協力フォーラム北京サミットの成果を着実に実施し、企業協力と大規模プロジェクトにおける協力を重点とし、貿易協力ゾーン、工業と農業団地の建設を通じて、工業、農業とインフラ整備での協力を強め、共通した繁栄と発展を実現させていく」と述べました。
更に、エジプトの指導者との会談で双方は、インフラ整備、観光、投資、通信などの分野における協力を強め、スエズ湾経済特別区など建設中のプロジェクトの実施を順調に進めていくべきであるという点で一致した見解を示しました。
双方はまた、「中国全国人民代表大会とエジプト人民議会との定期交流メカニズムの確立に関する覚書」に調印しました。
ハンガリーはEUの新しい加盟国であり、中部ヨーロッパと東ヨーロッパ地域では中国系の企業と機関が集中しています。
ブダペストで呉邦国委員長はハンガリーの指導者と会談し、また企業代表と交流を行いました。
そして双方は貿易、インフラ整備、加工業、観光業、科学技術などの分野での協力の将来性について話し合ったのです。
ハンガリー側は「中国との経済協力と貿易を通じてEUと中国との協力を促し、中国とEUとの協力で架け橋の役割を果たし、また物流、金融、貿易のセンターとしてのハンガリーの役割を発揮していく」との姿勢を明らかにしました。
さて、ポーランドとウクライナはサッカーの2012年ユーロカップを共同で開催することになっており、北京では来年オリンピックが開催され、上海は2010年の万国博覧会を開催する予定していることから、関連の会場とインフラ整備についてポーランド側は中国と協力拡大の意欲を示しています。
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