第19回ロシア・EUの首脳会議は17日、ロシア南部の都市トリヤッチで開かれました。EUの輪番議長国のドイツのメルケル首相、欧州委員会のバローゾ委員長とロシアのプーチン大統領らがこの日の会議に出席しました。
この首脳会議は1993年12月、双方がベルギーの首都ブリュッセルで調印した「ロシアとEUのパートナーシップの共同声明」に基づき設置されたものです。年に2回会議を開きます。1994年6月24日、ロシアのエリツィン前大統領とEUの指導者はギリシアで期限が10年間の「パートナーシップと協力協定」に調印しました。この協定は、1997年12月1日に発効し、今年の10月で期限が来ます。このため、新しい協定に調印することが双方の関係にとって大きな課題となっています。
しかし、今のロシアとEUの関係によりますと、今回の首脳会談はここ数年開かれた双方の首脳会談でいかなる協定にも調印できない初の首脳会談になります。
双方の意見の食い違いは、ほとんど東ヨーロッパ地区の問題に集中しています。ポーランドとロシアの緊迫した情勢は解決できませんでした。さらに、旧ソ連の加盟国であり、今EUに加盟しているエストニアは4月末、首都タリン市中心部に位置する旧ソ連兵士の記念碑を撤去しました。このことはエストニアとロシアの関係を悪化させ、またロシアとEUの関係にも影響を及ぼしました。ポーランドとチェコは、アメリカとNATO・北大西洋条約機構が自分の領土にミサイル防衛システムを配備することを認めました。このことはロシアとアメリカの関係に影響を与え、ロシアとEUの関係を損ないました。このほか、ロシアとEUはコソボ問題、石油天然ガスパイプラインなどの問題で意見の食い違いがあります。
今回の首脳会談の主催国のロシアは、双方の関係と首脳会談を積極的に見ています。EU側から見れば、これからロシアにエネルギーを依存していかねばなりません。双方の協力を保っていくことは、EUの利益に符合しています。このことから、双方の関係改善にはいろんな困難がありますが、これらの問題を解決できないことはありません。困難の中、進展していくのがロシアとEUの関係の特徴だと見られています。(05/19 翻訳:殷絮)
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