イギリスのブレア首相が28日コペンハーゲンで、ロシア連邦保安局の元中佐リトビネンコ氏がイギリスで中毒死した事件に言及し、「捜査では外交的かつ政治的な如何なる障碍をも許さない。この事件は非常に重大であるため、イギリスは真相究明を断固として徹底する。必要な時、私はプーチン大統領と話し合う」と決意を表明しました。
冷戦時代の1978年9月7日、ロンドンの街でイギリスに亡命したブルガリア人作家マルコフ氏がこうもり傘の先に刺されて、3日後に死亡しました。
イギリス警察当局は旧ソ連のKGB・国家保安委員会が実施したと確定しました。
この事件は両国の外交関係に大きな打撃を加えました。
そのため、今回のリトビネンコ氏中毒死事件でロシアとイギリスの対応は両国関係にとってまた一つの試練であると見られています。
この事件について、イギリス警察当局は現段階で「暗殺」と確定せず、「不審死」としています。
ブレア首相も、ロシアに責任があると明言せず、プーチン大統領と話し合う用意があるとの態度表明にとどまっており、慎重な姿勢を示しています。
9・11同時テロが発生した後、西側がロシアに接近しましたが、最近、独裁主義傾向とロシア政府批判の声が高まっており、双方は緊張した関係にあります。
今回のリトビネンコ氏中毒死事件が情勢を複雑化させ、双方の関係に暗い影を落とし、「KGB式の毒殺」と西側メディアは大いに報道しています。
しかし、一部の世論は「冷静的に見れば、ロシア政府による暗殺の可能性が極めて少ない。ロシア政府にとってリトビネンコ氏の反ロシアの価値はなくなった」としています。
ロシア連邦議会下院議員は「リトビネンコ氏中毒死事件でロシアが何の利益も得る可能性はなく、今回の事件は政治的利益を求めたロシアの敵によるものだ」と反駁しました。
世論はまた「現実的に見れば、今回の事件で西側が利益を得た。NATOの東方拡大、テロ対策による中央アジアへの部隊派遣、ロシア国内の反体制派への支援などのために、口実が出来た。こうして見れば、情報価値が無くなった亡命スパイの不審な死亡は西側にとってプラスだ」としています。
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