中東地域を訪問中のアメリカのライス国務長官は15日、イスラエルのオルメルト首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長と3者会談を行うことに同意しました。
アメリカの官員はこの3者会談はこの6年間で最も目標が高い会談だと伝えました。しかし、この日、イスラエルのオルメルト首相は「イスラエルは、イスラエルを承認し、暴力を放棄し、イスラエルとパレスチナがこれまでに調印した条約を認めるパレスチナ政府のみを受け入れる」と表明しました。イスラエル政府はまた、この日、ユダヤ人居住区拡大計画を提出しました。これによって、平和交渉に戻ろうとするイスラエルの誠意に疑問が生まれました。
ライス国務長官は15日、オルメルト首相と長時間に渡る会談を行いました。これについてアメリカのある官員は会談後の記者会見で、「ライス国務長官とオルメルト首相はアッバス議長と3者会談を行うことに同意した。会談はこれから3週間ないし4週間以内に行われ、会談で、3者はパレスチナの今後の政治問題について対話する。今回の会談はこれまでの6年間で目標が最も高い会談となる」と述べました。ライス国務長官はこの日の夜、エジプトのムバラク大統領との会談で、「3者の会談で、どのようなパレスチナ国家を樹立するかがパレスチナの最終的な地位の回復についての交渉の前提だということを中心に討議する」と述べました。
しかし、オルメルト首相はすばやく声明を発表し、パレスチナとイスラエルとの全ての交渉に前提条件を提出しました。オルメルト首相はその声明の中で、「イスラエルは3者会談に参加したい。しかし、パレスチナ政府は国際社会の提出した3つの条件を遵守しなければならない。つまり、イスラエルを承認し、暴力を放棄し、イスラエルとパレスチナがこれまで調印した条約を承認することだ。パレスチナ政府がこれらの条件に同意しなければ、イスラエルの承認を得ることは出来ない」と述べた上、中東の和平案「ロードマップ」の中で提出されたいくつかの段階を順序に従って実施するよう求めました。
分析者は交渉の回復に対するイスラエルの誠意及び、3者会談に期待される成果について疑問を感じています。
まず、パレスチナが短い期間にイスラエルの要求に符合する政府を成立させるのが難しいことです。パレスチナイスラム原理主義組織ハマス政権が政権を握って一年間、ハマスはイスラエルをずっと拒否してきました。パレスチナ自治政府の首相であるハマスの指導者ハニヤ氏は15日、「ハマスは永遠にイスラエルを承認することはできない」と表明しました。
また、ライス国務長官とオルメルト首相が会談した日、イスラエル政府はヨルダン川西岸の最大のアドミムユダヤ人居住区で44軒の建物を新たに建設することを発表しました。これによって、交渉に戻るイスラエルの誠意に疑問がもたれました。パレスチナのエラカート首席交渉代表は「イスラエルは平和と居住区のどちらかを選択する必要がある」と指摘しました。
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